いちごにも様々な品種があり、花託(果実として認識されることの多い部分)の表面が赤いいちご、白いいちご、黄色いいちごなどがありますが、アレルゲンの含有量に違いはあるのでしょうか?
いちごの色でアレルゲン含有量に違いは?
いちごの主要アレルゲンは以下等が挙げられますが、
・LTP:Fra a 3 胃に存在する消化酵素のペプシンで分解されにくく、熱耐性があり、全身症状を伴う場合もあります。
・PR-10:Fra a 1 シラカバ花粉(Bet v1)と関連した花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)のアレルゲンと見られています。
・プロフィリン:Fra a 4
花託(果実として認識されることの多い部分)の表面が赤いいちご、白いいちご、黄色いいちごを含めた20種の Fra a 1 の含有量を調べた研究では、それぞれ Fra a 1 の含有量に違いが見られています。
含有量の多い順(上位10品種)
Florika(表面が赤いいちご) 3.97μg/ g FW
Wuerzburg(表面が赤いいちご) 2.78μg/ g FW
Snow White(表面が白いいちご) 2.13μg/ g FW
Profumata di Tortona(表面が赤いいちご)
Lucida Perfecta(表面が白いいちご)
Yunnan(表面が白いいちご)
Yellow Wonder(表面が黄色いいちご)
Korona(表面が赤いいちご)
Magnum(表面が赤いいちご)
Moritzburg(表面が黄色いいちご)
尚、本研究での調査では、20種の中で、Elsanta(表面が赤いいちご)、Elianny(表面が赤いいちご)の Fra a 1 の含有量は低い結果となっています。
上記には日本ではなじみの薄い品種も含まれますが、このように、花託(果実として認識されることの多い部分)の表面色の違いで、Fra a 1 の含有量が異なるというのではなく、品種により Fra a 1 の含有量が異なることが伺えます。
また、オーブンで加熱したいちごにおいては Fra a 1 の含有量が低減していることも示されており、Fra a 1 がアレルゲンの方は、含有量の少ない品種を加熱調理することで、アレルギー症状程度等を低減し得るかもしれません。ただし、赤いいちご、白いいちご、黄色いいちごといった表面色の違いで Fra a 1 量の多さが異なるということではないことからも、赤いいちごにアレルギー症状のある方は、白いいちご、黄色いいちごにも同様にご注意ください。
またFra a 3、 Fra a 4 についての調査結果もアップデートしていきたいと思います。
出典・参照:Effect of the Strawberry Genotype, Cultivation and Processing on the Fra a 1 Allergen Content.
いちごによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2468
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