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バナナによる食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)

2020.11.02

投稿者
クミタス

食物蛋白誘発胃腸炎については、今までにも牛乳、卵、小麦、大豆、貝、魚での発症例について挙げていますが、
魚類による食物蛋白誘発胃腸炎
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4003
バナナでの発症例もあります。

生後5か月時にバナナを水で煮たものを初めて摂食し、3時間後に嘔吐した。その後1週おきに2回目、3回目とバナナを摂食したが、いずれも3時間後に嘔吐した。
以降半年ほどバナナ摂取を控えていたが、1歳1か月時の受診時にバナナ特異的IgEは陰性で、経口負荷試験ではバナナ1/3本を摂食した6時間後に複数回の嘔吐を認め、便中の好酸球由来ニューロトキシンは負荷前後で1000から6000ng/gと上昇、フローサイトメトリーを用いた末梢血中の好酸球は、負荷後にCD69発現が増強し、好酸球活性化が考えられた(出典・参照:白橋徹志郎 宮澤英恵 小泉瑛子 松田裕介 金沢大学医薬保健研究域医学系小児科 バナナによるFPIESと考えられた1例)。

食物蛋白誘発胃腸炎(food protein-induced enterocolitis syndrome (FPIES))においては、原因となる食物の摂取後に嘔吐、下痢、下血といった消化器症状が出現する傾向があり、便好酸球検査の陽性率が高く、末梢血好酸球が高値であることも多いとみられていますが、消化器以外の症状出現がなく、摂食後数時間前後での消化器症状出現においては、食物蛋白誘発胃腸炎が疑われるところでもあります。口腔内症状、皮膚症状、アナフィラキシーについては、以下もご参照ください。
バナナによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2015

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