Author クミタスさん
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2015.06.08
食中毒や感染症、不耐症、腸の疾患が起因する下痢など下痢には様々な要因があり、圧搾油(コールドプレス)など高度精製でない油の場合、その油を抽出する元の食品にアレルギーがある場合の下痢もありますが、油脂が原因となり下痢をする場合に以下も挙げられます。
オレイン酸が多い油脂といえば、オリーブオイルが挙げられます。オリーブオイルは酸化しにくく、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭、脱ロウといった高熱処理を伴う精製工程を経ずに製品化できるオイルもあるのですが、オレイン酸は多く摂りすぎると軟便化、人によっては下痢をすることがあります。個人差がありますが、少量でも下痢をする場合は、食事の順番、摂取量や摂取自体を検討されるのが良いかと思います。
・オリーブオイル
オレイン酸70%前後、リノール酸10%程度、パルミチン酸9%程度、ステアリン酸3%程度、α-リノレン酸約1%
・アボカドオイル
オレイン酸70%前後、リノール酸8~18%、パルミチン酸11~18%、パルミトレイン酸6%程度、ステアリン酸5%、リノレン酸2%
・アーモンドオイル
オレイン酸66%程度、リノール酸26%程度、パルミチン酸6.5%程度
・菜種油(キャノーラ油)
オレイン酸60%程度、リノール酸23%前後
・マカダミアナッツオイル
オレイン酸58.5%、パルミトレイン酸21.5%、パルミチン酸約8%、リノール酸約3%、ステアリン酸約3%
・アルガンオイル
オレイン酸45%程度、リノール酸31%程度、パルミチン酸12.3%、ステアリン酸5.6%、ミリスチン酸0.1%、α-リノレン酸0.1%、トコフェロール
・ピーナッツオイル
オレイン酸45%前後、リノール酸33%前後、パルミチン酸10%前後、ステアリン酸3%前後、リノレン酸3%前後
・米油
オレイン酸42%前後、リノール酸36%前後、γ-オリザノール
・ごま油
オレイン酸40%前後、リノール酸42%前後、リグナン
各オイルの脂肪酸組成について
またオレイン酸は植物性油に限らず、油脂が多く食中毒を招くとされる魚であるバラムツ、アブラソコムツといった魚に含まれる脂肪酸の主成分はオレイン酸になります。バラムツ、アブラソコムツを食べた場合、消化不良により下痢など食中毒をおこす可能性から、バラムツは1970年に、アブラソコムツは1981年に食用禁止になっています。
アブラボウズもオレイン酸(グリセリド)を多く含みますので、摂取時には留意ください。
からすみにも含まれますが、一度の摂取量が多くはないことで中毒に至る可能性は低くなりますが、少量のオリーブオイルで下痢をする方は、摂取量や摂取を検討されるのが良いかと思います。
関与する箇所が腸にあるだけでなく、膵臓内の酵素欠損や消失、胆汁酸の代謝異常(肝障害や胆汁塩酸欠乏あるいは腸肝循環障害)、腸内細菌異常増殖により、脂肪の吸収障害が発生し下痢をする場合があります。
・原因が膵臓に起因する場合(慢性膵炎、膵臓ガン、膵外分泌不全、膵傍細胞壊死などで消化酵素であるリパーゼが不足)
・原因が胆汁に起因する場合(胆道閉塞、胆汁分泌不全などで脂肪のミセル化不足(腸管に吸収されやすいように脂肪が水に溶けやすい分子と粒子を形成しきれない状態)
・原因が小腸性に起因する場合:油脂は分解はされるけれど吸収されない、リンパ管拡張症などで吸収不良
原因や状態に応じて、消化酵素剤による治療方法もありますが、油脂で下痢をする方の場合、まずはどういった食品が油脂を多く含むかを把握し、油脂を含む食品を一度に多く摂取しないことを心がけることも大事です。
脂肪性下痢では、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKといった脂溶性ビタミンや脂溶性薬剤の吸収不良も起こしやすいと言われています。ですがビタミンKが不足すると、脂肪性下痢や脂肪便症になりやすくなりますので、ビタミンKは欠乏しないよう摂取できるのが望ましいです。
ビタミンKを多く含む食品としては、抹茶、煎茶、わかめ、納豆、パセリ、しそ、のり、モロヘイヤが挙げられます。
また中鎖脂肪酸は胆汁酸によるミセル化を必要とせず速やかに吸収されるため、脂肪性下痢は比較的起きにくいと言われています。
中鎖脂肪酸を多く含む油脂としては、ココナッツオイル、パーム核油などが挙げられます。
ただ、中鎖脂肪酸に下痢をおこす場合もあります。
中鎖脂肪酸の吸収までが速やかに進むことで、小腸管腔内が高浸透圧になり下痢をするケースです。
中鎖脂肪酸を多く含む油脂、食品を摂取することで下痢をする場合は、一度に多く摂取しないことを心がけることが大事になります。
摂取の必要性があり中鎖脂肪酸を多く含む油脂やMCTミルクやケトン食を取り入れ、下痢をする場合は医療機関に相談されることをおすすめします。
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