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キャッサバ(タピオカ)について

2015.08.03

投稿者
クミタス

キャッサバ(タピオカ)でん粉


キャッサバいもに含まれるでん粉質を精製して製造されるキャッサバでん粉は、タピオカでん粉とも呼ばれ、片栗粉やわらび粉に似た質感になります。

タピオカでん粉は弾性が強い点が特徴であり、タピオカでん粉のアミロース含有率は甘しょ(さつまいも)でん粉に近く、小麦でん粉、くずでん粉、ばれいしょでん粉、コーンスターチよりも下回ります。
アミロペクチン含有率はうるち米ほどで、甘しょでん粉、小麦でん粉、くずでん粉、ばれいしょでん粉、コーンスターチよりも上回ります。
アミロース量が少ないことでもちもち感が強く、老化しにくい長所があります。
タピオカでん粉は糊化開始温度が低く、早く糊状になります。そのため、タピオカでん粉を含む麺はゆで時間が短くて済む面があります。また糊液の透明性が高く離水が少ない点も使い勝手がよく、増粘剤などにも使用されます。

穀類でん粉:コーンスターチ、小麦でん粉、米でん粉など
イモ類でん粉:馬鈴薯でん粉(ジャガイモ)、甘藷でん粉(サツマイモ)、タピオカでん粉(キャッサバ)、レンコンでん粉、クワイでん粉、ヤマノイモでん粉、ヤーコンでん粉、サトイモ(タロイモ)でん粉、コンニャクイモでん粉、キクイモでん粉 など
豆類でんぷん:緑豆でん粉、えんどう豆、そら豆でん粉など
野草類でん粉:葛でん粉、片栗粉、わらびでん粉
幹茎でん粉:サゴでん粉

タピオカでん粉はポン・デ・ケージョ、クニャペ、チパといったパンにも使用されます。
日本で流通するキャッサバ(タピオカ)粉商品は、タイ産のものがほとんどでタイは輸出国第1位ですが、世界の生産量第1位はナイジェリア、2位はブラジル、3位がタイになります。
キャッサバ(タピオカ)粉商品はもともと安価でしたが、輸出量が増え、昨今では価格が上昇しています。

タピオカでん粉の内訳


キャッサバの加工品としては、3cm 角以下の大きさに砕いて天日乾燥させたキャッサバチップ、キャッサバチップをさらに粉砕した後に5cmくらいのチョーク状に整形したキャッサバペレットがあります。

タピオカでん粉はキャッサバチップを微粉砕し、でん粉質を抽出したもので、そこからアルファ化されていない生でん粉、加工でん粉、パールでん粉と用途に応じて分けられます。
ただ、商品名としては一様にタピオカでん粉、タピオカ粉との名称になっているものも多くあります。

青酸配糖体を多く含む食物と対処


キャッサバいもには青酸配糖体(ファセオルナチン(リナマリン)、ロトストラリン)が含まれています。苦味種、甘味種があり、白い苦味種には青酸配糖体が黄色い甘味種の10倍以上多く含まれているため、スナック菓子などには黄色い甘味種が使用されます。甘味種は外皮をはぎ、加熱し芯を取ることでも毒抜きができますが、苦味種は全体に青酸配糖体が存在しています。もし海外などでキャッサバいも商品を食べる際に苦味を感じる場合は、食べないようにするのが望ましいでしょう。
タピオカでん粉は苦味種から製造されますが、精製工程を経ることで、青酸配糖体はほとんど消失するとされています。

リナマリンはマメ科のライマメ、アオイマメ、インゲンマメにも含まれ、バラ科の梅、桃、杏、びわなどの種子や未熟な果実に含まれるアミグダリンや、筍の先端部分やイネ科植物に含まれるドゥーリンも青酸配糖体(シアン化合物)になります。

アミダグリンはビタミンCと相互作用により強い毒性を示す可能性があります。熟した果実を食べる分には問題にはなりませんが、粉末にした種子や未熟な果実を積極的に摂取することの効果についての根拠はないとする意見、アミダグリンが残留している場合、中毒死に至るリスクを踏まえておく必要があります。

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