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にんにく(ニンニク)で腹痛、下痢をする人は

2014.05.05

投稿者
クミタス

にんにくにアレルギー症状のある方はいらっしゃいますが、アレルギー反応ではなく、にんにくで腹痛、下痢をおこす方もいます。人によっては1日以上症状が続く方もいるかと思います。




 

にんにくに含まれる成分の特徴

 
にんにくを切る、すりおろす、潰すなどで、にんにくに含まれる「アリイン」と、酵素「アリナーゼ」が反応すると、硫黄性化合物の「アリシン」が生成されます。
「アリシン」は分解されると硫黄化合物の「ジアリルジスルフィド」となり、「ジアリルジスルフィド」が酸化すると「アリシン」に戻ります。
「アリシン」からは、「ジアリルトリスルフィド」、「アホエン」などの硫黄化合物も発生し、「ジアリルジスルフィド」はアレルゲンになると考えられている物質でもあります。

にんにくの抗菌・殺菌作用による下痢

 
にんにくの匂い成分の素でもある「アリシン」において、コレラ菌、チフス菌、赤痢菌、院内感染の原因菌となることもあるMRSA、大腸菌0-157への抵抗性、殺菌性を挙げる意見もあり、アリシンのもつ、カビ、細菌、微生物への成長阻害性は有用であるとの示唆もありますが、腸内の有益な細菌をも殺してしまう場合があります。そのため、人によっては胃、腸の荒れ、腹痛、下痢といった症状が誘発されることもあります。
ラーメンを食べたら、焼肉、キムチを食べたら胃痛がある、下痢をするといった方は、にんにくが原因の可能性もあります。

アリシン量の調理による変化、品種差

 
「アリシン」はビタミンB1と結びつくと「アリチアミン」という新しい物質に変化します。「アリチアミン」にもにんにくの香り、抗菌・殺菌作用がありますが、すりおろした生にんにくよりは、低くなります。
また、嘉定種などの暖地系品種の方がアリシン産生量がより高いとの報告もあります。
「アリシン」を多く含むのはにんにくですが、そのほかに、ねぎ、玉ねぎ、ニラなどのユリ科ネギ属の植物にも含まれています。

摂取量の調整


「アリシン」は水溶性のため、カット、潰したにんにくを軽く水で洗うことでも「アリシン」量を減らすことはできますが、にんにくの抗菌・殺菌作用を少なくすることにはなるものの、硫黄性化合物の生成量も減ることにはなります。
にんにくを摂取して腹痛、下痢が起こる方においては、空腹時の摂取は避け、どの程度の量で症状が出るかを確認しながら、家庭での摂取量を調整されるとよいでしょう。

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