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潰瘍性大腸炎に食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)を合併したケース

2025.01.30

投稿者
クミタス

大腸などの消化管に慢性的に炎症や潰瘍が起きる炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease: IBD)において、6歳未満で発症し、診断された炎症性腸疾患は超早期発症型炎症性腸疾患(very early onset IBD: VEO-IBD)といわれます。今回は、6歳未満で発症する超早期発症型炎症性腸疾患(VEOIBD)に食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)を併発した報告を掲載します。
 
7ヶ月女児。周産期歴に特記事項はなく、生後半年頃から離乳食を開始し、豆腐20gは摂取可能であった。入院3週間前から血便・水様便が出現し前医を受診。造影CT検査で直腸~S状結腸に壁肥厚と造影効果を認め当院へ転院した。内視鏡検査で全結腸に連続性・びまん性に浮腫状発赤粘膜を認め、病理結果も踏まえ潰瘍性大腸炎と診断。遺伝子検査は病的変異を認めなかった。ステロイド、5-ASA製剤、大豆・乳・鶏卵除去で寛解導入後、母乳量不足により大豆乳を摂取したところ、摂取1時間後より複数回の嘔吐、下痢、頻脈を認めた。アドレナリン筋肉注射の効果は乏しく、輸液管理で症状が軽快した。大豆特異的IgEは陰性だった。同事象から8ヶ月後、寛解維持中に行った経口負荷試験で、豆腐1g摂取2時間後より複数回の嘔吐、発熱を認め、大豆FPIESと診断された(池田樹央,北村勝誠,松井照明,阿部直紀,高里良宏,杉浦至郎,河邉慎司,岩田直美,伊藤浩明 あいち小児保健医療総合センター免疫・アレルギーセンターアレルギー科,あいち小児保健医療総合センター免疫・アレルギーセンター感染免疫科 超早期発症型炎症性腸疾患に大豆の食物蛋白誘発胃腸炎を合併した1例)。
 
上記は小児の潰瘍性大腸炎に大豆の食物蛋白誘発胃腸炎を合併した症例になります。

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