兄弟姉妹間のアレルギーについては、以下にも記しましたが、
兄弟姉妹間のアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1022
アレルギー性疾患と出生順との関連については以前から幾つか報告があります。
食物アレルギーにおいては
1歳6カ月から3歳6カ月までの間において
食物アレルギーは第1子、第2子、第3子と出生順位が下がる(後に生まれた子)ほど有病率が有意に低下
出典:アレルギー疾患と出生順位に関する大規模横断研究
21世紀出生時横断研究でおこなわれた2001年の特定の2週間に日本で出生した児全例である47,015例を対象に生後6か月から10歳までアンケート調査を実施
3歳時点で
・食物アレルギーの症状のある割合
第1子(兄弟・姉妹いない)250人 18.3%
第1子(兄弟・姉妹いる)144人 17.2%
第2子 205人 14.0%
第3子以降 49人 10.3%
・食物アレルギーと診断された割合
第1子(兄弟・姉妹いない)141人 10.4%
第1子(兄弟・姉妹いる)77人 9.3%
第2子 108人 7.4%
第3子以降 28人 5.9%
出典:アレルギー性疾患に関する3歳児全都調査(平成16年度)結果
平成16年9月に実施の3歳児健康診査の受診対象者・保護者を8,294人を対象(有効回答数4,305人)。
小中学生において
食物アレルギーは出生順が後の子ほど有症率が有意に低下
出典:出生順位と学童期アレルギー疾患有症率
2006年に実施した京都市小中学生1万3千人の大規模疫学調査をもとに出生順位(1子,2子,3子以下)別の各アレルギー疾患有症率を多変量解析で比較
文献によっては10歳までの調査において、3歳6カ月より後~10歳までの間では、出生順による差はなかったとの報告もあります。
アレルギー性鼻炎において
小中学生において、出生順が後の子ほど有症率が有意に低下
出典:出生順位と学童期アレルギー疾患有症率
10~16歳の子どもに限定した調査では、第1子では39.7%、第2子は29.2%、第3子は28.6%が花粉症であると回答
出典:2012年12月実施の0~16歳の子どもをもつ父母2,587人及びその子ども4,371人を対象にしたアンケート調査結果(ロート製薬調べ)
アトピー性皮膚炎において
生後6カ月以内の湿疹においては、出生順による差は見られなかったが(出典:出生順位と学童期アレルギー疾患有症率)、1歳6か月時点のアトピー性皮膚炎においては出生順が後の子ほど有症率が有意に低下した、ただし1歳6カ月時点以降では差はなかった(出典:アレルギー疾患と出生順位に関する大規模横断研究)
喘息において
ここまでは出生順が後の方が有症率、有病率は低い傾向との内容が見られている一方、喘息、喘鳴においては、以下報告以外でも逆の内容もみられています。
1歳未満の喘鳴は逆に出生順が後になるほど有意に増加。
小中学生においては出生順による有意差はなかった。
出典:出生順位と学童期アレルギー疾患有症率
感作する抗原や感作するタイミング、発症するかどうか、発症時期は様々であり、生活環境による影響関与等もあり得ますが、兄弟姉妹間で必ずしもアレルギー症状が出現するとは限らないうえで、特に乳児期~3歳ごろまでにおいての食物アレルギーの有症率、有病率においては、第1子が最も高く、第2子、第3子と後に生まれた子の方が少し低くなる傾向があるのかもしれません。
要因解明につながる情報、喘息、喘鳴に関する他の報告なども、情報があり次第アップデートしていきたいと思います。
緑豆はるさめ
32623
はるまま
ラーメンの麺の代わりに使…