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アレルギー症状を誘発することもある浅瀬にいる生き物~後編

2016.08.07

投稿者
クミタス

海の浅瀬や岩場などで、水遊びをしているうちに、何かに刺されてしまって、痛みや腫れが出てしまった、
アレルギー症状を誘発することもある浅瀬にいる生き物~前編
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1565
に続く後編をお送りします。

■オニダルマオコゼなど

オニオコゼ、フサカサゴの仲間の魚は食用となり美味しい魚も多く身に毒は基本的にありませんが、表皮の棘に毒線がある種類があります。
中でもオニダルマオコゼの毒性はかなり強く、水深50cmほどの浅い海底にも生息し、砂の中に隠れてもいますので、浅い場所でも注意が必要です。
オニダルマオコゼ以外にも、オニオコゼ、ダルマオコゼ、ハオコゼ、ヒメオコゼ、ミシマオコゼ、ミノカサゴ、ヒレカサゴ、ニセフサスサゴ、ゴンズイ、アイゴ、アカエイ、トビエイ、ギンザメなども、はっきりとわかっていませんが似た毒成分である可能性があり、1度刺傷した後、相同性のある毒をもつ別の生物に刺傷した際に、症状が強く出る場合があります。また、これらは浅瀬にはあまり生息していないものもありますが、本州で見られるものも多くあります。

・オニダルマオコゼ
八丈島、小笠原諸島、屋久島~琉球列島に生息し、体皮が岩場と同化していたり、砂に潜ってじっとしていることもあり、気付きにくく踏んでしまう可能性があります。背ビレには太くて鋭利な棘があり、背ビレ以外にも棘はありますが、毒線のある棘を刺激すると、棘から毒を噴射します。毒性は生息域差等がある可能性はありますが、致死性があります。

症状:刺されると痛み、痒み、腫れ、患部の熱感、変色、水疱、全身の蕁麻疹、患部の皮膚の壊死、吐気、嘔吐、腹痛、下痢、筋肉痛、発熱、発汗、寒気、呼吸困難、血圧低下。心肺停止などショック症状を起こすことがあり、死亡例があります。 

刺されないようにする対応
写真のように砂の中に隠れている状態では見分けがつきにくいため、誤って踏んでしまわないようにしたいところです。
八丈島、小笠原諸島、屋久島~琉球列島の遠浅リーフに入る際、特に海底が見えにくい場合などでは地元の方に生息域かどうか確認できるのが望ましいでしょう。
死んでいるオニダルマオコゼ、オニオコゼでも背びれの棘から毒が噴射される可能性がありますので、触らないようにします。

刺された場合の対応
落ち着いて陸に上がり、傷口を海水で洗い、抜けるようであれば棘を抜きます。はっきりとしていませんが毒の成分はタンパク質、ポリペプチドが主と考えられており、60℃付近で熱変性をし、体内拡散を食い止めやすくする可能性があります。やけどしない程度に高温のお湯や熱くなった石、ボンネットなどが近くにある場合は患部を温め、全身症状や強い症状のある場合は速やかに受診します。

・ミノカサゴ、ハナミノカサゴ
ゆらゆらと泳いでいたり、逃げないため触れようとすると、背ビレを立てて向かってくることがあります。背ビレ、腹ビレの中にある透明な棘が刺さると棘からの毒が体内で反応することがあります。

症状:激痛
患部の腫れ、めまい、吐き気、息苦しさなど

刺された場合の対応
落ち着いて陸に上がり、傷口を海水で洗い、抜けるようであれば棘を抜きます。毒の成分はタンパク質、ポリペプチドである可能性があり、60℃付近で熱変性する可能性があります。やけどしない程度に高温のお湯や熱くなった石、ボンネットなどで患部を温め、受診し体内に残っている棘をぬく対処もできるのが望ましいでしょう。

■ウミケムシ

ハナオレウミケムシ、セスジウミケムシ、セナジリウミケムシなど、海中を泳ぐことのできる見た目は毛虫の生物で、ゴカイやイソメ等と同じ多毛類になります。潮間帯や潮干狩りの時に石の下や砂の上にいる際に刺傷することがあります。

症状:痛み、痒み、腫れ、発疹、水疱など 

刺されないようにする対応
素早く動くため、捕まえようとして素手で掴むと毛が皮膚に刺さりますので、むやみに掴まないようにします。

刺された場合の対応
剛毛内部のγ‐アミノ酪酸が、炎症を起こす際に関与する酵素「プロテインキナーゼC」を活性化させているとの意見があります。セロハンテープ、ガムテープなどで残さないように毒毛を取るようにし、タオルでふき取ったりしてこすったりして毛が取り切れにくくしないようにします。

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