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間接接触 or アレルゲン吸入とアレルギー症状出現

2025.03.10

投稿者
クミタス

経皮感作や皮膚炎症部から食物抗原を吸収し症状出現したと考えられる例については以下などで、
鶏卵抗原に経皮感作し卵アレルギーを発症した例から
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3345
魚、貝、甲殻類と接触し皮膚症状などが出現する場合
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3374
吐物付着後にアナフィラキシーを生じたケース
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4298
吸入と食物アレルギー発症に関しては以下など、
大豆外皮粉塵を吸入することでのアレルギー症状出現
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4743 
小麦を含む麺を茹でた湯気を吸入し症状出現していた児への経口免疫療法
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4162 
間接摂取と食物アレルギー発症に関しては、以下にも掲載しておりますが、
家庭内除去の後、閾値が上昇したピーナッツアレルギー児のケース
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2809 
今回はクルミの間接接触あるいはクルミアレルゲンの吸入がアレルギー症状の引き金になったと考えられたケースについて掲載します。
 
3歳男児。数日にわたり、夕食摂取後に膨疹と咳嗽が出現した。いずれの日も児の父が児を抱きながらアーモンド、クルミ、マカダミアナッツ、ピーナッツ、カシューナッツを摂取しており、父の口を拭いた肩から掛けたタオルが児に触れていた。児は摂取していなかった.ピーナッツとナッツ類の食物アレルギーが疑われ、当科紹介となった。特異的IgE値はピーナッツ0.49UA/mL、Arah20.00UA/mL、カシューナッツ4.12 UA/mL、クルミ5.95UA/mL、Jugr15.77UA/mL、アーモンド0.31UA/mLであった。ピーナッツ、カシューナッツ、アーモンド、クルミの経口負荷試験を行ったところ、クルミ0.5g 摂取後に全身蕁麻疹と喘鳴を認め、クルミによるアナフィラキシーと診断された。ピーナッツ、カシューナッツ、アーモンドは経口負荷試験で症状を認めなかった。初回症状出現時には、児はクルミを直接摂取はしていなかったことから、父親の唾液を介したクルミの間接接触あるいはタオル上の微量のクルミ抗原の吸入が、アレルギー症状の引き金になったと考えられる(出典・参照:藤田真弓,松本由里香,大原夕季,高増哲也,犬尾千聡 神奈川県立こども医療センターアレルギー科 間接的アレルゲン曝露によりアレルギー症状が出現したクルミアレルギーの1例)。
直接摂食していない場合でも、皮膚経由、吸入などによりアレルギー症状を誘発する機会があることにご留意のうえ、生活環境を含め対処できることが望ましいでしょう。

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