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きのこによる反応②

2016.12.04

投稿者
クミタス


きのこによる反応① https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1752 で、きのこを主に経口摂取してアレルギー症状が出現するケースについてお送りしましたが、今回は空中に存在するきのこ胞子を吸引し症状出現すると考えられている呼吸器疾患のケースについてお送りします。

スエヒロタケの胞子を吸い込むことで、気管支に菌糸が住み着き咳や痰が出やすくなり、喘息の症状を起こしたり、アレルギー反応を起こし、アレルギー性気管支肺真菌症の原因の1つとなることがあります。

スエヒロタケが食用として流通することはあまりありませんが、白い毛に覆われたスエヒロタケは桜、ケヤキ、ブナ等の木に寄生する世界中でよく見られるきのこの1つであるため、空中に浮遊する胞子を吸引している可能性はあり、症状出現ケースは多くはないものの、免疫力が著しく低下している状態、結核など肺の中に空洞を生じるような病気のある方、今までに呼吸器疾患の既往のある方で、気管支や肺が傷ついている方等においては、発症リスクが高まる可能性を挙げる意見があります。

アレルギー性気管支肺真菌症の多くはアスペルギルスが原因菌のアレルギー性気管支肺アスペルギルス症であると言われていますが、アスペルギルスとスエヒロタケなど複数の真菌が原因となる場合もあります。

空中浮遊する真菌


カナダなど森林の多い地域では担子菌類(きのこの多くが該当)の胞子が空中真菌フローラに30%以上含まれているとの報告があり、きのこ栽培者でない方による発症が見られています。
スエヒロタケの胞子は長さが5μm前後、幅1.5~2μmで空中浮遊可能なサイズであり、空中真菌を吸引すると下気道まで到達するため気管支喘息や過敏性肺炎を起こす場合があります。

サイズが5μmよりも大きいと落下しやすく、吸引した場合に、副鼻腔に留まる場合や、皮膚に不着しやすくなりますが、スエヒロタケ胞子が原因と考えられるアレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎と見られるケースもあり、初期症状に鼻茸を有していた20代、30代の方においての症例も見られています。

スエヒロタケによる症例報告数は多くはありませんが、顕在例は増えており、喘息症状と思われていたところから、喀痰の細胞診や粘液栓子や気管支生検の組織学的検査も実施することによりスエヒロタケが原因と判明するケースが見られています。ほかにヒトヨタケでの報告例もありますが、もし咳が続くようであれば、病院に受診されるのが良いでしょう。

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