日本でのダニ舌下免疫療法は、現在はダニによるアレルギー性鼻炎への適応となっていますが、海外での試験にて吸入ステロイドだけでのコントロールが難しい成人喘息患者さんに有用となる可能性についての示唆があります。

Efficacy of a House Dust Mite Sublingual Allergen Immunotherapy Tablet in Adults With Allergic Asthma: A Randomized Clinical Trial.

ヨーロッパでの試験では、ダニアレルギーに関連した喘息症状があり、吸入ステロイドや吸入ステロイド配合薬で症状がコントロールできず、アレルギー性鼻炎を合併する834人（平均年齢33歳（17-83歳）、女性は48％）を対象に、693人が7～12か月間、ダニ舌下免疫療法の舌下錠を投与（6SQ-HDM群、12SQ-HDM群）しながら、吸入ステロイドを試験期間後半に50％減量、その後3か月間は完全に中止したところ、軽度～中等度の口内掻痒、口内浮腫、咽喉の炎症が見られたが、12SQ-HDM群では喘息増悪までの期間が延長するなど、喘息発作リスクが低減した、長期的な有効性、安全性を評価するためにはさらなる研究が必要であると報告しています。

現時点（2017.2.6）では日本においてミティキュア　ダニ舌下錠、アシテア ダニ舌下錠とも、喘息発作を誘発するおそれがあるため重症の気管支喘息患者への本剤投与は禁忌、重症でない気管支喘息患者さんにおいては、慎重に投与すること、となっています。
ダニ舌下免疫療法においては、2週に1度の処方から4週に1度の処方へと延長できるようになりましたが、今後、12歳未満の小児への保険適応、発症抑制など他の適応についても拡大する可能性もあるかもしれません。

追記：アシテアダニ舌下錠、ミティキュアダニ舌下錠において、12歳未満においても適応されることになりました（2018年2月）。
アシテアダニ舌下錠、ミティキュアダニ舌下錠の適応～12歳未満にも
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2596