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ビタミンB12欠乏と早産リスクとの関連可能性

2017.01.25

投稿者
クミタス

ビタミンB12は肉、牛乳、卵、魚、魚卵、貝、海藻などに含まれる水溶性のビタミンで、微生物によって生成される栄養素であるため、動物性の食品の多くに含まれますが、野菜や果物には基本的に含まれないものでもあります。

動物性食品を摂取しないことで欠乏しやすいビタミンB12
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/739

ビタミンB12は動物性原料を摂取していない方においては不足しやすい栄養素でもありますが、11か国11,216件の妊娠に関する調査から、母体においてビタミンB12欠乏(<148 pmol / L)の状態では、早産(妊娠期間<37週)リスクが高かった、との考察を報告しています。

Associations of Maternal Vitamin B12 Concentration in Pregnancy With the Risks of Preterm Birth and Low Birth Weight: A Systematic Review and Meta-Analysis of Individual Participant Data. 2017.1.20

ビタミンB12以外欠乏以外に他の栄養充足状態や他要因の影響もある可能性がありますが、ビタミンB12欠乏と早産との関連可能性について今後、より詳しい情報を目にする機会があるかもしれません。

ビタミンB12の必要量とは?


ビタミンB12の推定平均必要量、推奨量の設定においては、現在、ビタミンB12欠乏による悪性貧血患者の研究結果に基づき健康な方での推定平均必要量が算定されていますが、悪性貧血といった疾患の予防、治療をめざすことを基とする設定値なのか、軽度の不足による血清(血漿)ホモシステイン濃度上昇による心血管におけるリスク低下を基とするか、何を基準として考えるかによっても設定値は変わってくることがあります。

日本人の食事摂取基準(2015 年版)ではビタミンB12は、男女とも18歳以上で1日あたり推定平均必要量は2.0μg、推奨量2.4μg、妊婦ではそれぞれ+0.3、+0.4、授乳婦では+0.7、+0.8となっています。
ビタミンB12は、焼きのり、青のり、岩のり、味付のり、あおさ、少量ではあり、商品によって含有していないものもありますがわかめ、もずくにも含まれます。
ほしのり 77.61.3μg/100g
焼きのり 57.61.3μg/100g
味付のり 58.11.3μg/100g
岩のり(素干し) 39.9μg/100g
青のり(素干し) 32.1μg/100g
あおさ(素干し) 1.3μg/100g

肉、牛乳、卵、魚、魚卵、貝、海藻をまったく摂取できていないわけでなければ、推定平均必要量、推奨量程度は経口摂取可能な栄養素ではありますが、摂取量が少ない方は意識しておけると良いでしょう。


出典:Associations of Maternal Vitamin B12 Concentration in Pregnancy With the Risks of Preterm Birth and Low Birth Weight: A Systematic Review and Meta-Analysis of Individual Participant Data. 
食事摂取基準におけるビタミン必要量の求め方
―ビタミンB12の必要量をどのように決めるのか?―
​日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要
日本食品標準成分表2015年版(七訂)

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