Author クミタスさん
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2024.04.27
ナッツのなかでも科が異なり、アーモンドはバラ科、カシューナッツとピスタチオはウルシ科、クルミとペカンナッツはクルミ科に分類されます。カシューナッツとピスタチオ、クルミとペカンナッツは交差交差性が高く、カシューナッツとピスタチオに、またクルミとペカンナッツに症状出現する可能性があるとみられています。今回はカシューナッツとピスタチオに症状出現した例を掲載します。
症例1:6 歳女児。4 か月前、ケーキ摂取後にアナフィラキシー歴があり、給食で初めてカシューナッツを食べ、アナフィラキシーで救急搬送された。特異的 IgE は、カシューナッツ 56.3UA/ml,カシューナッツの主要アレルゲンの1つである Ana O 3 では 27.7UA/ml と高値であり、カシューナッツアレルギーと診断された。
その後、4 か月前のケーキにピスタチオが含まれたことが判明し、皮膚プリックテスト陽性よりピスタチオアレルギーと診断された。
症例2:5歳男児。1 年前、カレーライス摂取後にアナフィラキシー歴あり。カレーの原材料から 血液検査(カシューナッツ 6.7UA/ml、Ana O 3 6.5UA/ml)と、負荷試験を行い、カシューナッツアレルギーと診断されていた。クッキーを食べた後にアナフィラキシーで救急搬送された。クッキーにピスタチオが含まれたため、後日皮膚プリックテストで陽性が確認され、ピスタチオアレルギーと診断された。
複数種のナッツによるアレルギーに関しては、以下でも掲載しておりますが
ピーナッツ・ツリーナッツにアレルギーがある場合、どの程度、複数種類に反応があるか?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1528
複数種のナッツによるアレルギーの状況は?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3084
Ana o 3 は、2S アルブミンで複数のナッツや豆、穀類に共通して含まれることのあるアレルゲンコンポーネントになります。
また、他の報告では、2012 年 3 月から 5 月までにピーナッツまたは木の実類アレルギーと診断された児を対象に、食物経口負荷試験または Ara h2(ピーナッツの主要アレルゲンの1つ)、Ana o3、Jug r1 (クルミの主要アレルゲンの1つ)での特異的 IgE 抗体価検査を行ったところ、対象72 人(登録時の年齢中央値(範囲)は 8.8 歳(5.9- 11)、男児が 42 人(62.5%))のうち、クルミアレルゲンに陽性であったのは 41 例、カシューナッツは 24 例、ピーナッツ 24 例、クルミとカシューナッツは 14 例(R=0.57,p=0.004)であった報告も見られています(出典・参照:ピーナッツ,木の実類アレルギーの臨床的交差性に関する研究)。
ナッツアレルギーにおける合併状況については、また他の報告も掲載したいと思います。
出典・参照:吉川なつこ,二階堂量子,松本和徳,西山敦史,森沢猛 加古川中央市民病院小児科 カシューナッツとピスタチオによ るアナフィラキシーを呈した 2 例
カシューナッツアレルギーについて
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1839
ピスタチオによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2949
カシューナッツによる食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1369
ペクチンによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2165
カシューナッツシェルオイルによる接触性皮膚炎~木材塗料
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4119
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