リンゴアレルギーの症状
バラ科に属すリンゴは、カバノキ科植物花粉(シラカンバ花粉、ハンノキ花粉)との交差反応によるPFAS(花粉―食物アレルギー症候群(PFAS))が知られていますが、ラテックスとの交差反応性によるラテックス-フルーツ症候群を示すことのある食物でもあります。またアレルゲン(抗原)により、OAS(口腔アレルギー症候群)を主とする症状のみでなく、全身性の症状、食物依存性運動誘発アナフィラキシーを生じる場合があります。
リンゴの主要アレルゲン
リンゴの主要アレルゲン(抗原)には以下が考えられています。
・Mal d 1(PR-10)
シラカンバ花粉の主抗原であるBet v 1、ハンノキ花粉の主抗原であるAln g 1、リンゴと同じくバラ科植物である桃の抗原の1つPru p 1、サクランボのPru av 1、杏のPru ar 1、西洋ナシのPyr c 1、いちごのFra a 1、バラ科植物以外でニンジンのDau c 1、セロリのApi g 1、大豆の抗原の1つGly m 4もPR―10タンパク群に属します。
PR-10は熱や消化酵素により抗原性が低減しやすく、口腔内を中心としたOAS(口腔アレルギー症候群)の出現傾向があり、リンゴはシラカンバ花粉症患者さんの中でのOASの原因食物の上位に位置することの多い食物となっています。
・GRP(Gibberellin-Regulated Protain)or Mal d 3(LTP)
桃のアレルゲンタンパク質の1つPru p 7(peamaclein)と同様のGRP(Gibberellin-Regulated Protain)も抗原となり、皮や果肉に含まれ、熱や消化に強く、全身症状を引き起こす可能性があります。
LTPはリンゴの皮に多く存在し、ヨモギ抗原のAlt v 3、ブタクサ抗原のAmb a 6、桃抗原のPlu p 3もLTPタンパク群に属します。
熱耐性があり、消化酵素により抗原性が低減しにくく全身性の症状誘発性があります。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーに至る場合があり、リンゴ摂取のみでは無症状でリンゴ摂取30分後の運動により蕁麻疹、呼吸困難を呈したMal d 3が原因抗原と推測される11歳男児の例、リンゴ摂取後の運動負荷試験が陽性で、リンゴ摂取は禁止せず摂取後の運動を控えていたところ、約5か月後にリンゴ入りジュース、りんご入りドレッシングの摂取のみで口腔を中心とした症状が出現するようになったMal d 1、Mal d 3が原因抗原と考えられる13歳男児の例も報告されています。
・Mal d 4(プロフィリン)
熱や消化酵素により抗原性が失活しやすい面があります。
皮に多く含まれるアレルゲンに反応する場合、皮をむいたリンゴにはアレルギー症状を自覚しなかったり、症状程度が軽微の場合もあります。
併せてこちらもご参照ください。
皮をむいたりんごにはアレルギーを示さない場合も
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3648
桃アレルギーについて
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1504
出典・参考:食物依存性運動誘発アナフィラキシーとして発症したリンゴアレルギーの1例
ハンノキ特異的 IgE 陰性のリンゴによる食物依存性運動誘発アナフィラキシー
食物依存性運動誘発アナフィラキシーとして発症したリンゴアレルギーの1例 ほか
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