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食器におけるアレルゲンの残留程度と洗浄

2017.07.12

投稿者
クミタス

傷が付いていたり、溝のある菜箸など洗浄しにくい食器や調理器具、調理用品においては、食物成分が残留しやすくなる面はありますが、食器の材質により残留程度に違いはあるのでしょうか?

食器への残留程度


複数の材質の給食用食器に鶏卵溶液を塗布した後、水洗浄のみと洗剤洗浄でどの程度卵アレルゲンが残留しているかをELISA法で(イムノクロマト法で使用した拭き取り溶液を、そのままELISA法の試料溶液として)検出をおこなったところ(ポリエチレンナフタレート製の食器のみ表面の傷防止の目的で微細な凹凸の処理であるシボ加工が施されていましたが、検査に使用した食器は傷のないものを選び、鶏卵はカラザ等の固形物を除去した後、全体を均一に懸濁して鶏卵溶液を調製し、4mLを食器の内側全体に滴下し傾けて全体に広げ、30℃で10分間静置)、

ポリプロピレン樹脂製(165mm×33mm)、高強度磁器製(161mm×37mm)、ポリエチレンナフタレート樹脂製(165mm×36mm)、メラミン樹脂製(160㎜×27mm)とも、水洗浄のみでは50ng/mlよりも多い量が検出された食器個体があり、洗剤を使用した洗浄ではポリプロピレン樹脂製で12ng/mlを検出した個体はあったものの、ほぼ0.78ng/ml未満であり、卵アレルゲンにおいてポリプロピレン樹脂製、高強度磁器製、ポリエチレンナフタレート樹脂製、メラミン樹脂製といった材質の違いによる残留性の違いは概ね見られなかった、との調査結果が見られています。

出典・参考:給食用食器の卵アレルゲンの残留性比較

タンパク質の効果的な洗浄方法


家庭内でも調理器具を洗浄する際、40℃~50℃のぬるま湯を使用するとタンパク質の汚れを落としやすくなります。

煮沸消毒をおこなう場合も、順番としてまず40℃~50℃の温湯を使用して汚れを落とし、煮沸消毒をおこなえるとより効果的です。
汚れがしっかり取り切れないうちに熱湯をかけると、タンパク質が熱変性をし器具等に凝固し取れにくくなる場合もありますので、まず40℃~50℃の温湯で汚れを落とすようにしましょう。

また、水酸化ナトリウムが配合されることの多いpHが11以上のアルカリ洗剤には、タンパク質と結合し溶かす効果があります。 
例:マジックリン ハンディスプレー、マジックリン など
しっかり洗浄したい際などで使用される場合は、目や皮膚へのケアをしっかりおこなったうえで、十分にすすぎ洗いができるようにしましょう。

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