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2017.08.30
全身麻酔中にアナフィラキシーを引き起こすことがあり、成人、小児にも発生する場合があります。
全身麻酔中のアナフィラキシーにおいては、ロクロニウム、スキサメトニウム、ベクロニウムなどの筋弛緩薬、筋弛緩状態からの回復目的で使用するスガマデクスなどの拮抗薬、抗菌薬、プロポフォールなどの全身麻酔・鎮静用剤、またラテックス、膠質液、クロルヘキシジンなどの消毒薬が原因となることがあり、筋弛緩薬、抗菌薬が原因の場合は症状出現までの時間が短く、導入時でのアナフィラキシーとなる傾向が見られています。症状としては蕁麻疹(胸部の発疹など)、紅潮、口唇・舌・口蓋の浮腫などの皮膚症状、呼吸困難、気管支けいれん、喘鳴、血圧低下、虚脱、湿疹、痙攣様腹痛、嘔吐などの胃腸症状などが挙げられます。
筋弛緩薬によるアナフィラキシーの場合、初回使用時での発症が15~50%等と初回使用時での発症が高い点が特徴的でもあります。ロクロニウム、スキサメトニウム、ベクロニウムともに第4級アンモニウム基をもちますが、第4級アンモニウム塩、第四級アンモニウム化合物を使用する消毒薬、界面活性剤、柔軟剤、洗剤、シャンプー、化粧品等の使用を経て、第4級アンモニウム基に感作した状態で筋弛緩薬を使用することにより、筋弛緩薬は初回使用であっても症状出現する可能性が考えられています。
筋弛緩薬のスキサメトニウムでアナフィラキシー反応が生じた場合、筋弛緩薬ベクロニウムにおいても同様にアナフィラキシー反応が生じる可能性があるなど、日本で使用可能な筋弛緩薬においては抗原交差反応が40%程との見解もありますので、今までに麻酔使用時に異変があった場合は、その旨を伝えられることが望ましいでしょう。
また食物抗原同様、症状が出現していったん症状が落ち着いた後、再び症状出現する二相性反応リスクもありますので、24時間、できれば72時間程様子を見るようにしましょう。
麻酔薬、麻酔関連薬とアナフィラキシーについてはまた改めて取り上げたいと思います。
二相性反応について
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