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ヨモギ花粉症について

2017.09.01

投稿者
クミタス

ヨモギはブタクサと同じくキク科植物で、風により花粉が媒介される風媒花になり、花粉の飛散時期はブタクサ花粉とほぼ同様に7月の終わりから11月位までと、アサ科カナムグラ、イネ科植物などとともに、夏~冬の花粉症の原因植物の1つでもあります。
花粉症発症時の低年齢化が見られていますが、ヨモギ花粉においても同様の報告がなされており、アレルギー性鼻炎の方においてヨモギ花粉、ブタクサ花粉の感作率は20%弱ほど、10代での感作率が高く年齢が上がるにつれ感作率が下がるとの報告もあります。

ヨモギ花粉のアレルゲン


ヨモギ花粉の主要アレルゲンには以下などが挙げられています。
・プロフィリン:Art v 4
カバノキ花粉のBet v2、カモガヤ花粉のPhl p12、ブタクサ花粉のAmb a8もプロフィリンに該当します。
・LTP(脂質輸送タンパク質):Art v 3
クリ花粉のCas s 8もLTPに該当します。

ヨモギ花粉と交差反応性のある果物、野菜には以下が挙げられ、花粉ー食物アレルギー症候群(PFAS)を発症する場合があります。
セリ科(セロリ、ニンジン)、ウルシ科(マンゴー)、スパイスなど

ヨモギ花粉を含めたキク科植物の花粉症の既往のある方、花粉に感作している方において、花の部分も食用とするキク科フキノトウや食用菊を摂食した際、アレルギー症状が出現することがありますので、特に花部分を食する場合は留意したいところです。

オオアワガエリ、カモガヤも該当しますが、ヨモギは法面緑化の際に使用される植物の1つでもあり、いままでに中国や韓国から輸入された​繁殖旺盛な外来種のヨモギも多く使用されています。高さ50-120cmほどの植物でスギ花粉、ヒノキ花粉に比べると遠くまで飛散しにくい面はありますが、道路沿いに生育する場合、往来により飛散しやすくもなりますので、花粉に症状のある方は車の窓の開閉の際にも留意できると良いでしょう。

参考:当院におけるアレルギー性鼻炎の現況ーキク科抗原に関する検討

フキノトウによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1954
夏の終わりから飛散が増えるブタクサ花粉とアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/885

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