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フルクタンと腸への影響

2017.11.20

投稿者
クミタス

フルクタンは食物繊維で、らっきょうやにんにく、ゴボウ、菊芋、アーティチョーク、アスパラガス、タマネギ、ワケギ、ヤーコン、またライ麦、小麦、大麦穀粒(未熟)などに多く含まれ、イヌリン、レバン、グラミナンもフルクタンの1種に該当します。


セリアック病とは診断されていない方で、グルテンを摂食して腹部に不調があると感じている59人において、フルクタンを含むミューズリーバー、グルテンを含むミューズリーバー、プラセボのいずれかを7日間摂食し、1週間間を空けて全種類摂食し、胃腸症状を過敏性腸症候群用の尺度を用いて測定したところ、実際にはグルテン摂取による不調ではなくフルクタンを含むミューズリーバーに不調を自覚する方が最も多かった(最も高い不調スコア評は、フルクタン摂取後とした方は24人、プラセボ摂取後で22人、グルテン摂取後で13人)、との調査(二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験)結果も報告されています。

出典・参考:Gry I. Skodje et al. Fructan, Rather Than Gluten, Induces Symptoms in Patients With Self-reported Non-celiac Gluten Sensitivity, Gastroenterology (2017).


また、米国心臓協会(American Heart Association)Epidemiology and Prevention/Lifestyle and Cardiometabolic Health 2017会議では、Nurses’ Health Studyから69,276人、Nurses’ Health StudyⅡから88,610人、Health Professionals Follow-up Studyから41,908人、計199,794人における2~4年ごとに1984-1990年から2010-2013年まで、食生活に関する質問への回答状況と2型糖尿病の発症状況を解析したところ、15,947人が2型糖尿病を発症しており、その中で、グルテン摂取量が1日4g未満(平均6~7g)と最も少ない群に比べて、グルテン摂取量が最も多い群では2型糖尿病の発症率が13%低かった、との報告もなされています。

摂取食物、消費量は自己申告によるものであり(グルテン量は換算)、結論とするにはさらなる研究が必要なところではありますが、グルテン摂取を控える必要がある方以外における、食事からのグルテン摂取の不要な制限は、その後2型糖尿病を発症するリスクを増加させる可能性も考えられるかもしれません。

出典・参考:Low gluten diets may be associated with higher risk of type 2 diabetes  

小麦タンパク質へのアレルギー、セリアック病以外で、小麦を摂取していて不調を感じる場合に、グルテンが不調の原因でない可能性があり、またグルテンの摂取制限が必要でない場合の過度な摂取制限においては、健康への影響懸念が考えられる可能性がある示唆でもありますが、また他報告についてもご紹介していきたいと思います。

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