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準揮発性有機化合物(SVOC)について

2018.01.02

投稿者
クミタス

ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの揮発性有機化合物(VOC)は、シックハウス症候群の原因物質とも考えられています。一方、沸点が揮発性有機化合物(VOC)よりも高く、すべてが気化しない状態で存在する準揮発性有機化合物(SVOC。半揮発性有機化合物)による健康への影響可能性も考えられています。
SVOCは、プラスチック製品の製造時に添加される化学物質でもある可逆剤、プラスチック、ゴム、木材、繊維等を燃えにくくする難燃剤、殺虫剤の成分として使用され、フタル酸エステル類(フタル酸ジ-n-ブチル(DBP) 、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP)など)、ポリ塩化ビフェニル、ポリ臭素化ビフェニル、DDT、クロルデンなどが該当します。
SVOCにおいてはハウスダストを巻き上げたり蒸散された物質を吸い込む、児などが手で触れて、また手に取り経口摂取することでも体内に取り込む可能性があります。

揮発性有機化合物(VOC)である2-エチル-1-ヘキサノール、テキサノール、TXIBの3物質については2017年に新たに室内濃度の指針値を定める方針が厚生労働省より示されています。化学物質による影響については、今後より明らかになる可能性もありますが、フタル酸エステルと接触性皮膚炎、喘息などのアレルギー性疾患との関連可能性については、今までにも示唆がなされています。
フタル酸エステルとアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2075

児において床面をはう、床を触った手を口に入れるといった行動は、知らずのうちにもSVOCの体内に取り込む量が増えてしまうことになるため、取り込む量を減らすうえで、室内のハウスダスト量を減らすことは対策の1つになります。
また、高湿度環境では、木質建材内の水溶性VOCが溶け出して発生するスピードがより速くなり、非水溶性VOCでは建材が含水することで脱着して発生しやすくなるとの示唆もあります。
床暖房使用により、断熱材に含まれる発泡剤成分のぺンタン、酢酸、酢酸ブチルなどの接着剤成分、木の成分であるα-ピネンなどが揮発することもあります。配慮された製品もありますが、設定温度を上げ過ぎず、換気を心がけられるのが望ましいでしょう。

出典・参照:住宅室内空気中の化学物質濃度の指針値
住宅における空気・ハウスダスト中SVOC濃度測定
揮発性有機化合物の浸水住宅における実測及び木質建材の水分による発生特性 ほか

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