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2018.02.16
食物を摂取して違和感がある場合、食物アレルギーによる反応以外にも、ヒスタミン食中毒や食品中の生理活性物質による反応、化学物質による薬理作用などの可能性もありますが、食物アレルギーの症状と似通った部分のある例として以下などが挙げられます(一部、複数に該当するものもあります)。
・薬物、虫に刺咬などでの食物以外のアレルゲンによる反応
食物アレルゲンを含む薬剤もありますが、食物アレルゲン以外の成分も含め、IgEを介して曝露した後、2時間内にじんましんや咳、下痢、アナフィラキシーショックなどがおこる即時型アレルギー反応、また蜂以外の虫に接触したり刺咬されることにより吸収する物質へのアレルギー反応。
薬剤へのアレルギー、薬疹とは?①
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1510
薬剤へのアレルギー② 添加物への過敏反応、アレルギー反応
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1642
昆虫、節足動物との接触、刺咬、吸血による皮膚症状
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2132
・食物不耐症
消化酵素の欠乏や活性低下による下痢症状などが見られる乳糖不耐症が挙げられます。
・グルテン関連疾患
グルテン摂取により小腸に炎症を生じる自己免疫疾患のセリアック病が挙げられます。
・接触皮膚炎
食物由来成分以外が原因のこともあり、皮膚に湿潤集積した特異的Tリンパ球が、アレルゲンの刺激により表皮細胞を障害し、湿疹をともなう皮膚炎を起こすと考えられています。
・ダニへの反応
お好み焼きミックスなどダニが繁殖した食品を摂取して症状が出現した場合においては、その食物のアレルゲンが原因ではなくダニが原因でのアレルギー反応である場合があります。
開封後の粉製品のダニ繁殖を抑えるのに適した温度とは?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2125
・金属アレルギー
歯の詰め物に使用される金属に反応を示すこともありますが、金属アレルギーの患者さんが、食物に含まれる金属により症状が悪化したり発症する場合もあります。
・生理活性物質による反応
山芋に含まれるアセチルコリン、発酵食品(チーズ、ワイン)、果物(バナナ、プラム)、野菜(アボカド、ナス、トマト)などに含まれるチラミン、亜硫酸、亜硝酸などによる反応が挙げられます。
アレルギー様症状を起こす生理活性物質について
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2256
・ヒスタミン食中毒
アミノ酸の一種ヒスチジンは、ヒスタミン産生菌によりヒスタミンに変換されます。ヒスタミンは熱耐性があり、産生されると加熱しても分解されず、ヒスタミンを多く含む食品を摂取して2時間以内に、皮膚の紅潮、下痢、腹痛、頭痛などが生じる場合、ヒスタミン食中毒と考えられます。
ヒスタミン食中毒はアレルギー反応と比較すると、頭痛がより多く見られるとの意見もあります。
ヒスタミンが生成される要因、ヒスタミン食中毒がおこりやすい状態とは?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2300
魚を摂食して症状が出現する場合に、アニサキスが原因であることもあります。
・刺激性のある食物への反応
辛い食品、酸っぱい食品への神経反射。
・細菌性感染型食中毒
腸炎ビブリオ、サルモネラ、病原性大腸菌、カンピロバクター、ウェルシュ菌、リステリア・エンテロコリチカなどが原因の食中毒。
・細菌性毒素型食中毒
黄色ブドウ球菌、セレウス菌、ボツリヌス菌などが原因の食中毒。
・ウイルス性食中毒
ノロウイルスなどが原因の食中毒。
・自然毒食中毒
毒キノコ、じゃがいも、トリカブト、貝、ふぐなどに含有する成分による中毒。
毒キノコについて。
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/947
しいたけを摂食して皮膚の痒みが出現する場合、しいたけ皮膚炎である可能性もあります。
しいたけ皮膚炎とは?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1460
・化学物質による反応
洗剤や漂白剤、農薬、食品添加物、水銀、鉛などへの反応。中毒以外に、物質の中にはアレルゲンとなり反応を示す可能性があるものもあります。
着色料にアレルギー症状を示すのか?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1571
・刺激物質、湿度または温度の変化、皮膚の細菌感染による皮膚症状
・胃食道逆流症などによる胃腸症状
・全身性好酸球増多症
・血管炎
・寄生虫感染
・酒酔い(アルコール)
・膠原病
繰り返し症状が出現するわけではない場合は、摂取を制限する必要がないこともありますので、食物アレルギーや他の疾患かどうかを確認し対応できるのが望ましいでしょう。
出典・参照:食物アレルギー診療ガイドライン 2016
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