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感作状況について(一例)

2018.03.20

投稿者
クミタス

アレルゲンに曝露し、感作が成立するうえでは、アレルゲンの量、アレルゲンの特性、皮膚バリア機能低下、アトピー素因、消化・分解能力等が影響し、皮膚・粘膜経由での経皮感作、摂食での経腸感作、吸入による経気道感作、胎内感作、経母乳感作が考えられています。
成長とともに自然に耐性を獲得することもありますが、日本での幼児期までの感作状況はどのような傾向にあるのでしょうか?

小児ボランティア186名 (平均11.6歳) と治療中の喘息児164名 (平均10歳)の計350名を対象に
クラスター1:食物を含む多抗原感作、クラスター2:ペット陽性の吸入抗原感作、クラスター3:ペット陰性の吸入抗原感作、クラスター4:低感作 (スギのみ) に分類のうえ、特異的IgE抗体と総IgE値、末梢血白血球数、好酸球数, 呼気NO、スパイロメトリーを測定したところ、総IgE値と感作抗原数はクラスター1が最も高く、白血球数、好酸球数(%)、呼気NOはクラスター2が最も高かった。

アトピー性皮膚炎発症児
皮膚炎のない児と比較すると、ダニ、卵白、スギ花粉アレルゲンに感作している率が高い(アレルゲン特異的リンパ球刺激試験(ALST)にて)

喘鳴反復児
喘鳴反復児での感作状況としては、2010年4月~2016年4月に、多項目アレルギー検査を受けた喘鳴反復児204人において、
生後12カ月以下では食物アレルゲン感作が多く、生後12カ月を過ぎると吸入アレルゲン感作が増えており、
特にダニアレルゲンとスギアレルゲン感作は1歳代から2歳代にかけて急増し、生後36か月を過ぎるとダニアレルゲン、スギアレルゲン感作が多くなりダニとスギの重複感作が多い傾向が見られています。生後60か月以下の喘鳴反復児ではスギ感作は幼児期早期から成立している可能性があり、ダニアレルゲンにも併せて感作している可能性が示唆されています。

「鶏卵にアレルギーのある児では、血清卵白特異的IgA2抗体が低く、鶏卵アレルギーの寛解後には血清卵白特異的IgA2抗体が上昇することから、血清卵白特異的IgA2抗体が、鶏卵耐性獲得に関わっている」可能性も考えられていますが、また感作状況についてお送りしていきたいと思います。


出典・参考:特異的IgE抗体の多項目同時測定システムを応用した小児アレルギー疾患の感作パターン解析
生後60カ月以下の喘鳴反復児における食物および吸入アレルゲンの網羅的感作状況
食物アレルギー診療ガイドライン2016

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