小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシーの発症例の中で成人の発症例は少なくなく、近年では加水分解コムギアレルギーの発症事例もありますが、成人における食物アレルギーにおいて、小麦は原因食物となることも多く、また、アナフィラキシーの原因にもなり得ます。
経過として成人も含めた小麦依存性運動誘発アナフィラキシーと診断された37人(男性28人、女性9人。9歳~71歳。平均41歳)のうち、経過を追えている29人では、13人は運動しない場合のみ小麦摂取、9人は制限なく小麦が摂取でき、7人は小麦摂取除去継続との報告もあります。
ω-5グリアジンIgE値の高い方の経過例として
成人発症の小麦アレルギーにおける発症後の経年変化の検討として、小麦の主要アレルゲンであるω-5グリアジンのIgE値が高値である方に限定した調査では、
ω-5グリアジンのIgE値が高値の成人発症の小麦アレルギー患者さん63人のうち、
ω-5グリアジンのIgE値が変わらなかったのは52人
ω-5グリアジンのIgE値が2倍以上に上昇していたのは8人
ω-5グリアジンのIgE値が1/2以下に低減していたのは3人
寛解し通院が終了していたのは1人
との報告もなされており、成人で小麦アレルギーを発症し、ω-5グリアジンのIgE値が高値な方においては、ω-5グリアジンのIgE値がほぼ変わらない方が多く見られ、低減する方もいらっしゃる一方で、2倍以上に上昇する方も見られるとの結果も見られています。
上記はω-5グリアジンのIgE値が高値の方を対象にした調査であり、高値でない方の経過はまた異なる場合もあり、加水分解コムギアレルギー患者さんにおいては、難治例もみられていますが、反応が軽減されている、されてきている方も多くいらっしゃいます。成人発症の食物アレルギー、アレルギーの経過については、重症化していない例、難治例の傾向を含め、また新たな報告例なども含めご紹介してきたいと思います。
出典・参照:成人ω-5グリアジン優位感作型小麦アレルギー患者の特異的IgE抗体価の経年変化
国立病院機構相模原病院臨床研究センター 澤田祐斗 福富友馬、島根大学医学部皮膚科学講座 千貫祐子 森田栄伸、藤田保健衛生大学坂文種根徳會病院総合アレルギー科 矢上晶子 ほか
茶のしずく石鹸(加水分解コムギ)によるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2087
成人の食物アレルギー、アレルゲン、成人発症喘息について
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1277
成人のアナフィラキシーにおける原因物質 成人のアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1554
50歳以降からのアレルギーの例など
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成人における経口免疫療法
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