アレルギー反応に伴い急性冠症候群が発生し、冠攣縮性狭心症や急性心筋梗塞などを発症することがあり、Kounis症候群との名称があります。アレルゲン曝露後にアレルギー、アナフィラキシーの症状が出現し、急性冠症候群の病態が見られ、発症した場合は、アレルギー反応に対する治療と急性冠症候群に対する治療が並行して行われることになります。
原因として造影剤、抗菌薬、麻酔などの薬剤、昆虫、へび、クラゲなどの生物による刺傷、環境因子、また食物も挙げられており、食物が原因での報告数は多くはありませんが、食物依存性運動誘発アナフィラキシー発症時に心筋梗塞をおこした例の報告なども見られています。
アナフィラキシーを起こす場合、急性冠症候群の発症は起こり得るとの意見もあり、心臓自体がアナフィラキシーの標的臓器となることがありますが、原因、機序など今後も情報をアップデートしていきたいと思います。

出典・参照：Kounis症候群により心停止をきたした2症例
アナフィラキシーショックと冠攣縮性狭心症を呈した Kounis症候群の 1例
Early stent thrombosis secondary to food allergic reaction: Kounis syndrome following rice pudding ingestion