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2025.01.18
食物蛋白誘発胃腸炎(food protein-induced enterocolitis syndrome (FPIES))においては、原因となる食物の摂取から数時間前後に嘔吐、下痢、下血といった消化器症状が出現する傾向があり、便好酸球検査の陽性率が高く、末梢血好酸球が高値であることも多いとみられています。今回は食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)の児において、一時的に胃容量が少なくなった可能性が考えられたケースに関する報告について掲載します。
生後9ヶ月の女児。重症新生児仮死による嚥下障害があり、人工乳・ミキサー食を胃瘻から注入していた。頻回嘔吐による脱水症のために入院、原因検索のために上部消化管造影を行ったところ、胃容量の減少を認めた(元の注入量の60%)。嘔吐発症後26日後に末梢血好酸球数の増加を認め、新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症(FPIES)が疑われた。ALST(アレルゲン特異的リンパ球刺激検査)では大豆が陽性、乳(κ-カゼイン,ラクトフェリン,ヒトαラクトアルブミン)は陰性で、乳・大豆の除去により嘔吐症状が軽快した。その後、1歳6ヶ月に食物負荷試験として乳を含んだ経腸栄養剤を投与すると頻脈・発熱・嘔吐が認められた(負荷試験は陽性と判断した)。大豆に関しては豆乳を用いて負荷試験を行ったが誘発症状なく経過したため、耐性獲得をしたものと判断した(出典・参照:嘉村拓朗,岡松由記飯塚病院小児科 新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症(FPIES)により一過性に胃容量低下を認めた乳幼児例)。
上記報告では、食物蛋白誘発胃腸症(FPIES)に胃容量低下を合併するとの報告は調べうる限り認めなかったが、好酸球性消化管疾患(EGIDs)において、非特異的な内視鏡像の1つとして胃の進展不良を認めることがある、との報告は散見され、筋層への好酸球浸潤を主体とするタイプでは腸管壁肥厚・硬化を来たしやすい面があり、上記例においても類似した機序により胃容量低下をきたしていた可能性を示唆しています。また他の報告も含め掲載したいと思います。
食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)と症状が似た疾患
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4384
感染性胃腸炎と食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4418
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