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豆乳摂取後の気道狭窄

2022.06.29

投稿者
クミタス

花粉-食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome:PFAS)では、花粉感作後に花粉と交差抗原性のある果物や野菜などを摂食して、アレルギー症状が出現すると考えられています。症状としては、舌がピリピリする、のど・鼻腔が痒い、鼻水が出る、くしゃみ、目がかゆい・涙が出る・充血、顔面を中心とした皮膚(顔や首、触った手指)が痒くなる・赤くなる・腫れる、耳孔のかゆみ、腹痛や吐き気・嘔吐・下痢などの消化器症状、呼吸困難・喘鳴・咽頭浮腫などの呼吸器症状が現れ、アナフィラキシーに至ることがあります

体重30Kgの10歳男児。乳児期に鶏卵のアレルギーがあったが、4歳時に耐性を獲得した。大豆摂取によりアレルギー症状が誘発された経験はなく、毎日豆乳飲料を摂取しており、リンゴや桃にアレルギー症状はなく摂取していた。7歳時に気管支喘息と診断され、9歳までロイコトリエン受容体拮抗薬を定期的に内服しており、また数年前から春に季節性のアレルギー性鼻炎と結膜炎の症状があった。
サッカーの練習から帰宅し、豆乳飲料を摂取し、ひと口目から口腔内の違和感があったが、一気に1パック200mlを摂取し、直後からしゃがれ声を認めた。おにぎりとつけ麺を食べ始めたところ、次第に呼吸苦と呼気性喘鳴が出現。豆乳飲料でアナフィラキシーショックを発症し、上気道狭窄と代償性ショックが遷延したため、合計5回のアドレナリン筋肉注射を施行した(出典・参照:平尾恵子 村上綾子 岸部峻 森川恵美 吉田幸一 成田雅美 あきつこどもクリニック 東京都立小児総合医療センターアレルギー科 同救命救急科 杏林大学小児科学教室 強い上気道狭窄が遷延した豆乳によるアナフィラキシーショックの10歳男児例)。

花粉に感作をしていて豆乳にアレルギー症状のある方はGly m 4がアレルゲンの可能性がありますが、カバノキ科花粉症患者さんの一部で、豆乳を一気に摂取し呼吸苦や気道の狭窄を生じる場合があるとの報告がみられています。ひと口目から口腔内の違和感を感じた場合はそれ以上摂取することは控え、症状の進行や強さ、喘鳴の程度に合わせエピペンを保持している場合は使用、救急受診ができるのが望ましいでしょう。

PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)の原因食物が摂取可能となった例から
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4434
豆乳と花粉~シラカンバ、ハンノキ花粉以外との関連可能性
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2807
マヌカハニーキャンディによる症状出現
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3921

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