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2019.01.11
歯科金属により金属アレルギー症状が出現していることが疑われる場合、口腔内の金属含有修復物の除去が検討され、除去後軽快することがあります。
抗原を含む修復物を口腔内より除去するにあたり、仮封や仮歯などで経過観察を行い、治癒の方向に進めば、材料選択を行いながら、再修復に進むことになります。
抗原を含む金属修復物の除去が完全に終了する前に症状が軽快する場合があり、歯周炎など歯周組織の改善、歯性病巣治癒、口腔内衛生環境改善により、金属修復物の一部除去段階でも体内への金属アレルゲン吸収量が減少することで、 症状が改善する場合もあります。
一方で、口腔内の金属除去後に、重篤なアレルギー症状の増悪(flare-up)とみられる倦怠感、発熱、顔面の浮腫、皮膚の剥離などを伴う全身症状を呈した例も見られており、除去時に金属の切削片や金属修復物が残存し、暴露量が増大したことなどが原因に考えられ、除去時には留意したい点でもあります。
除去終了し2カ月経過後では50%以上の方で症状の変化はみられず、アレルゲン除去から約2年後では改善傾向がみられるのは約60%と増加した、との記述もあります。原因不明の皮膚症状が歯科金属によるかどうかの判定においては容易ではない面もあり、また原因除去によりすべての方で軽快するとは限らないところでもありますが、金属修復物を装填している方で原因不明の顔面の皮疹、痒みが続き軽快していない方は、可能性を視野に入れられるのが良いかもしれません。
出典・参照:金属修復物の段階的な除去によって改善が得られた歯科金属アレルギー症例 中川敬史
重症金属アレルギー患者に対し口腔内をメタルフリーにすることで皮膚症状が改善した1例 三上翔、小林國彦、柏﨑晴彦、中澤誠多朗、小田島朝臣、大内学、山崎裕
ほか
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