Author クミタスさん
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2024.12.01
好酸球性胃腸炎(EGE)は、 消化管に好酸球が異常集積することで慢性炎症が生じますが、症例ごとに重症度に差があり、一時的な絶食や急性期の治療で改善し、再燃をみない予後良好例も見られています。今回は好酸球性胃腸炎に対し、原因食物を除去した食事療法を継続し症状再燃を回避したケースについて掲載します。
9歳男児。既往歴なし。8歳6か月頃より腹痛、腹満、粘液便を認めたため近医を受診した。整腸剤などの対症療法を行うも症状改善せず、半年で1kgの体重減少も認めたため、8歳10か月時に受診。身長132.5cm(+0.5SD)、体重21.8kg(-1.2SD)で、造影CTで大腸主体に著明な腸管拡張を認め、宿便性大腸炎として緩下剤を処方された。浣腸後に一時的に症状は軽快したが、徐々に腹痛や腹満が増悪した。9歳4か月時に、血中好酸球5%であったが、内視鏡検査で結腸に多数の好酸球浸潤を認め、好酸球性胃腸炎と診断された。ロイコトリエン受容体拮抗薬を開始したが、鮭を摂取後に腹痛と粘液便を繰り返すため、9歳8か月時にアレルギー外来を受診した。総IgE値929IU/mL、食物に対する特異的IgE抗体価は全て陰性であった。詳細な問診を行い、摂取と症状のタイミングが一致する食物を全て除去したところ、症状は完全に消失した。その後、被疑食物を1種類ずつ負荷して、小麦(醤油や味噌を含む)、麦類(もち麦や麦茶)、魚(魚醤を含む)、牛肉および豚肉の油(赤身は可)を原因食物として特定した。原因食物を除去した食事療法を継続し、整腸剤と緩下剤は中止したが、症状再燃なく経過した(出典・参照:西村幸士,八木悠一郎,桑原 優,渡邊祥二郎,江口真理子 愛媛大学医学部小児科 食事療法により良好なコントロールが得られた好酸球性胃腸炎の小児例)。
好酸球性胃腸炎
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