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肝蛭症について

2024.02.12

投稿者
クミタス

肝蛭(かんてつ F. hepatica)はヒツジやウシの胆管などに寄生する吸虫で、糞に含まれた卵が水田、小川などで、モノアラガイ類の貝に寄生し増えて成長し、水中に放出され水田の稲やクレソンやセリなどの水辺の植物の表面上でメタセルカリア(幼虫)として被嚢化することがあります。メタセルカリアが付着した状態で摂食することなどで、ヒトにおいても感染、症状出現することがあります。
急性肝蛭症:腹部不快感、食欲減退、体重減少、発熱、好酸球(白血球)増多、貧血など
慢性肝蛭症:慢性胆管炎、慢性間質性肝炎など
 
肝蛭症の報告例
・59歳女性。イタリア旅行中にクレソンとケールをブレンドしたグリーンジュースを飲んだ約3時間後から嘔吐と数回の失神、上腹部胃腸症状を生じ、受診2目前に悪寒を伴った39.9度の発熱と、腕・腰部・腎部に広がる痒みを伴った紅斑を生じた
 
ヒトにおける感染経路例
・メタセルカリアの付着した水辺の植物(セリ,ミョウガ,クレソンなど)を生食(自生、自家栽培など)
・メタセルカリアの付着した植物の収穫などで使用した農機具に接触した手指経由で経口的に感染
・感染した動物のレバーの生食

肝蛭症は、ヒトよりも動物で感染例が見られますが、国内でも海外からの来訪者、海外渡航者、畜産農業従事者の方などでの発症報告が見られています。肝蛭以外の肝吸虫、タイ肝吸虫、肺吸虫などの吸虫、食品由来の吸虫症に関して別途掲載したいと思います。
食品由来の吸虫症について(ファクトシート)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2017/04121122.html

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