OAS（口腔アレルギー症候群） との鑑別が難しい場合もありますが、ヤマイモ摂食後に口の周りや口腔内のかゆみなどを生じる場合、食物アレルギー以外の反応であることも多いところでもあります。
山芋で不調になる場合の食物アレルギー以外の要因
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一方、ヤマイモ特異的IgE抗体値が陽性で、ヤマイモ摂食後に全身に紅斑や蕁麻疹、咳、喘鳴、下痢、嘔吐などの症状が出現することもあります。

症状出現例～非加熱、​加熱

加熱されたヤマイモでは症状が誘発されず、非加熱、加熱不十分のヤマイモで症状出現する場合があります。

ヤマトイモ以外のヤマイモは食べられている男児において、6歳時に加熱不十分のヤマトイモ入りのお好み焼きを摂取したところ、速やかに顔面膨脹、咳が見られ、ヤマイモ特異的IgE値10.3UA/mL（クラス3）であった。8歳時に家族、本人の希望があり非加熱のヤマトイモで食物経口負荷試験をおこなったところ、2口（数g）を摂取直後に口腔内違和感、単発の咳を認め、20分で中等症の腹痛、活気の低下、65分で広範囲の膨疹が出現、75分に血圧低下、意識消失し、アドレナリンを計3回筋肉注射後、持続投与としてICU管理。その後、バイタルサイン、症状は安定し、二層性反応なく翌日には退院した（出典・参考：非加熱のヤマトイモでアナフィラキシーショックを起こした1例）

一方、原材料にヤマイモを含むかりんとう、焼いたヤマイモ、煮たヤマイモなどでの報告があり、加熱調理したヤマイモにより症状出現する、熱耐性のアレルゲンによる反応と考えられる例も見られます。

ヤマイモに反応する場合でも、​じゃがいも、さつまいもなどの芋類にアレルギー症状を示さないことも多いところでもあります。
「じねんじょ」、「ながいも」、「つくねいも」、「いちょういも」、「やまといも」のアレルゲンにおける相同性などについても今後情報をアップデートしていきたいと思います。