きのこによる反応については
きのこによる反応①
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1752
でも掲載しておりますが、報告例は少ないもののキノコであるキクラゲによる反応例も見られています。
キクラゲ
37歳女性(既往:花粉症、OAS(口腔アレルギー症候群))。10年前から中華料理を食べるたびに、胃痛、下痢、嘔吐、蕁麻疹を繰り返していたが、いずれもキクラゲが含まれており、キクラゲによるアレルギー、アナフィラキシーを疑い精査目的で受診。
生のキクラゲの断面と食塩水に生のキクラゲを約1時間浸した液の上澄みでプリックテストをおこなったところ、上澄み液で陽性となった。
患者血清を用いてアレルゲンの同定を試み、western blottingを行ったところ、生と加熱(95℃で5分間)したキクラゲの66kDa のタンパク質で特異的な反応がみられ、本症例のアレルゲンと考えられた(出典・参照:キクラゲによるアナフィラキシーの1例)。
エノキタケなどは含有するヒスタミンによる反応の可能性もありますが、エノキタケのアレルゲンとして18kDa、39kDa、50kDa 以外の候補も示唆されています。
エノキタケ
10歳女児(既往:鶏卵アレルギー)。4歳時に鍋料理のエノキタケを摂取後に口腔内の痒みを訴え、以降はエノキタケを摂取していなかった。10歳時に学校給食でエノキタケの入ったすまし汁の汁のみを飲んだところ、口腔内の違和感と痒みが出現し20分間程度持続した。
精査での皮膚プリックテストではエノキタケの生、加熱、ゆで汁でいずれも陽性であり、患者血清を用いてアレルゲンの同定を試み、western blottingを行ったところ、75kDa のタンパク質で特異的な反応がみられ、本症例のアレルゲンと考えられた(出典・参照:新規エノキタケアレルゲンによる即時型アレルギーの1例)
エノキタケによるアレルギーとみられる報告2例からは、エノキタケ以外のキノコに感作している場合でもアレルギー症状として出現していないキノコも多いところであり、一種のキノコに反応がある場合も他のキノコに反応を示すとは限らないところでもあります。
個々のキノコのアレルゲンについては、今後また追って掲載していきたいと思います。
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