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パルブアルブミン(魚類のアレルゲン)の特徴 8.23更新

2019.08.13

投稿者
クミタス

​パルブアルブミンは魚類の主要アレルゲンの1つであり、魚類のパルブアルブミンは、カルシウム結合タンパク質で、構造上​Ca2+結合部位を変異させた改変体はIgE結合能が低下するとみられています。
パルブアルブミンの熱変性は 40℃以上で生じ、パルブアルブミンは高温での加熱、高圧処理によりIgE反応性は低減します。100℃近くまでの温度で10分ほどの加熱での低減程度はそれほど多くはないものの、120℃~140℃で60分ほどの加熱により多くは減衰します(マサバ、ギンザケにおいては100℃ 60分加熱で多く低減した結果が見られています)。これは高温状態で、パルブアルブミンがカルシウムの保持ができなくなったことが要因とも考えられています。
また、水溶性タンパク質であり​魚の身を水でさらす、水さらし処理によりパルブアルブミン量は低減します。
魚肉練り製品について
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2560

パルブアルブミンは魚種間での相同性がみられますが、タラのパルブアルブミン Gad c 1 と、キハダマグロ Thu a 1、メカジキ Xip g 1 、ニシン Clu h 1、マイワシ Sar sa 1 、カレイ Lep w 1 、サケ Sal s 1、ニジマス Onc m 1 との相同性は47~75%ほどとの示唆があります。
パルブアルブミンにはα-パルブアルブミン、β-パルブアルブミンがあり、α-パルブアルブミンが原因でのアレルギー例もありますが、魚アレルギーの原因となることが多いのはβ-パルブアルブミンで、α-パルブアルブミンはサメ、エイなどの軟骨魚類、カエルなどの両生類、ワニなどの爬虫類、鳥類の筋肉中などにも存在しています。コイ、タラ、サケなどのβ-パルブアルブミンと、サメ、エイのα-パルブアルブミンとのアミノ酸配列同一性は 50%未満との示唆があります。
カエル肉、ワニ肉、鶏肉のアレルギーにおいて、魚類と鳥類、両生類、爬虫類との交差抗原性が考えられる例の報告も見られていますが、魚以外のパルブアルブミンについても掲載していきたいと思います。

出典・参照:魚類主要アレルゲン(パルブアルブミン)の アレルギー反応性の低減化に関する研究

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