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果皮とアレルギー

2024.05.23

投稿者
クミタス

36歳男性。果実シャーベットブドウ味摂取直後にアナフィラキシー症状を発症した。プリックテストの結果より,ブドウおよびブドウ製品全般に対するアレルギーと診断された。ブドウアレルギーの原因抗原の1つとしてlipid transfer protein(LTP)であると考えられているが,自験例においても諸検査によってLTPの感作が確認された。
 
ブドウによるアレルギーについては以下でも掲載しておりますが、
ブドウ/ぶどうによるアレルギー例から
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4503
ぶどうによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2854
ブドウアレルギーの原因抗原の1つとしてlipid transfer protein(LTP)が考えられていますが, LTP は植物の表層組織で生体防御に関わっていることが知られており、果皮などに比較的多く含まれています。
LTP量は果実が熟すとともに多くなり、虫食いのサンプルなどでLTP量が多かった結果も見られています。
また、LTP 画分中に存在するアレルゲン Gibberellin Regulated Protein(GRP)も LTP 同様に低分子量ながらシステインが多い塩基性のタンパク質で、皮をむいたりんごには無症状で日常的に摂食していたが、給食で皮付りんごを摂食した後の掃除中に顔面膨張、呼吸困難となり、リンゴ特異的IgEは陰性、皮膚プリックテストで果肉は陰性、皮は陽性で、皮付リンゴでの食物経口負荷試験では、1/4個の摂取でアナフィラキシーを誘発、皮に含まれるアレルゲンのうちLTPの特異的IgE値は陰性であったが、GRPの特異的IgE値は陽性であった例も見られています。
皮をむいたりんごにはアレルギーを示さない場合も
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3648 

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