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亜鉛と銅のバランス

2019.09.10

投稿者
クミタス

亜鉛はタンパク質の生合成、骨の発育など、胎児発育上も必要なミネラルの1つで、低体重出生児、低栄養状態の方において、欠乏が見られることのある栄養素の1つに挙げられます。亜鉛摂取量が少なく低出生体重児で腸管からの亜鉛吸収能が未熟な状態では、急速な体の発育に伴う亜鉛需要に対して亜鉛の体内備蓄量が不足となり、亜鉛欠乏状態になるリスクがあり、母乳などに含有の亜鉛濃度が低いことで亜鉛欠乏となる場合もあります。
母乳に関するトピックス~低亜鉛母乳による乳児亜鉛欠乏症
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1588
成人の方においては、摂取量、基礎疾患、吸収能、排泄促進といった要因から亜鉛が欠乏していると、創傷治癒の遅延、皮膚症状、脱毛、味覚障害、貧血、食欲低下、骨粗しょう症などが見られることがあります。

一方、亜鉛は銅の排泄を促進する面があり、胃上部切除や腸ろうの場合に亜鉛だけを摂取すると、亜鉛の過剰投与ではなくても銅欠乏になるリスクがあり、また、亜鉛含有製剤使用下などで亜鉛が過多になると、消化器症状(嘔気、腹痛)の出現、血清膵酵素(アミラーゼ、リパーゼ)上昇、また銅欠乏を招くことがあり、亜鉛を多く含む牡蠣の過剰摂取(5年以上前から牡蠣を毎日15~20個摂取)により銅欠乏性ミエロパチーに至る例も見られており、銅欠乏性貧血を生じることがあります。

亜鉛欠乏症では摂取により症状改善となることも多いところですが、欠乏とならないようにサプリメントなどでも過剰に摂取している場合は、そのことによる弊害があることもご留意いただければと思います。

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