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2019.10.18
皮膚バリア機能が低下する要因について、以下でも掲載しておりますが、
皮膚バリア機能の低下要因とは?制御に向けて①
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1828
2019年に入ってから以下の報告もなされていますので記載しておきます。
・KPRP発現低下
健常な皮膚とアトピー性皮膚炎患者さんの皮膚でKPRPの発現を確認したところ、アトピー性皮膚炎の患部ではKPRPの発現が有意に低下しており、患部の炎症に関与するIL-4、IL-13、インターフェロンγをヒト表皮ケラチノサイトに添加すると、KPRP遺伝子が濃度依存的に発現低下していることが確認された。さらに、KPRPが人の健常皮膚の角層直下にある3層の顆粒層のうち、第2層目に一定間隔で局在すること、KPRPが細胞接着に関わる構成因子と相互作用があることも分かった。
KPRPの発現を低下させないことにより、皮膚バリア機能を高めることにつながる可能性がある(参照:Keratinocyte Proline-Rich Protein Deficiency in Atopic Dermatitis Leads to Barrier Disruption)
皮膚が乾燥した状態、皮膚バリア機能低下状態においては、以下などの傾向や示唆がみられています。
・敏感肌であると意識している方の56%が乾燥肌との報告もある
・敏感肌においては、必ずしも皮膚バリア機能が低下しているとは限らず、皮膚内での感覚神経が伸長していたり感覚受容体が増強している、神経伝達物質の分泌異常や中枢神経の異常なども原因であることが考えられる
・皮膚バリア機能が低下している場合は、皮膚内部に化粧水など塗布剤中の物質が入りやすくなり刺激を感じやすくなる
・加齢により表皮の増殖や分化が遅くなり、また角層の水分と結合する天然保湿因子(NMF) の減少、角層水分量や皮膚バリア機能が低下しやすくなる
皮膚バリアは、角層の天然保湿因子(NMF) や細胞間脂質、角層細胞同士を接着させるタンパク質のコルネオデスモソーム、顆粒層のタイトジャンクションなどにより構成されています。角層がはがれやすくなる背景としてはカリクレインを中心としたセリンプロテアーゼ活性亢進によるコルネオデスモソームの分解促進などが考えられ、アトピー性皮膚炎においては皮膚バリア機能低下とアレルギー性炎症が相互関与していると考えられています。正常な角層のpHは弱酸性ですが、皮膚バリア機能が破綻したり、炎症、細菌・真菌が増殖した角層においてはpHは上昇する傾向があります。pH上昇下ではセリンプロテアーゼ活性が亢進しやすくなり、pH上昇は
皮膚バリア機能の低下要因とは?制御に向けて①
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1828
で記載のPAR2についても関係が考えられています。また続編を掲載していきたいと思います。
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