食物成分、食物由来成分を含む洗顔料、化粧品によるアレルギーについては、いままでも掲載しておりますが、
洗顔料に含有する食物抗原によるアレルギー～小麦以外の例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3246
化粧品に含まれることのある食物由来成分の含有程度例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2716

ナッツオイル含有のリップクリームによる接触皮膚炎、またアレルギーの例も見られています。

気管支喘息、アトピー性皮膚炎、ピーナッツ、さくらんぼ、りんごなどの食物アレルギーの既往のある13歳女児。10歳時にマカデミアナッツ数粒を摂食した後、咳が出て、呼吸苦となり、以降除去の方針となっていた。13歳時に初めて使用したリップクリームを口唇に塗布後、咳、呼吸苦と同様の症状が出現。リップクリームにはマカデミアナッツオイルが含有されており、マカデミアナッツを用いた皮膚プリックテストでは陽性となった（出典・参照：マカデミアナッツオイル含有リップクリームの使用で即時型アレルギーを呈した1例）。

リップクリーム、リップバーム、リップグロスには、マカデミアナッツオイル以外にもアーモンドオイル、クルミオイルといったナッツオイル、またオレンジオイル、アボカドオイル、プルーンシードオイルといった果物、野菜の成分を含有する製品もあり、高度に精製されていない場合もあります。
リップクリームは口唇の保護といった目的から、使用する方においては塗布された状態を維持するうえで、皮膚、粘膜経由などで体内に一定量が、また継続的に取り込まれ得る面があります。食物アレルギーのある方は、使用前に製品の成分名を確認できるのが望ましいでしょう。