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2020.02.06
アレルギー反応においては、感作誘導や増悪に影響するアジュバントの関与が考えられており、アジュバントとしてPM2.5、黄砂、ウイルス、タバコなどの微細粒子などが考えられています。
ピーナッツアレルゲンに感作したマウスに、ナノエマルジョンアジュバントとピーナッツアレルゲンを鼻腔粘膜に投与し、免疫寛容を促す研究の報告も見られていますが、ハウスダストが食物アレルゲンの気道感作、アレルギー発症を促すか、についての報告がありましたので、ご紹介したいと思います。
マウスでの試験になりますが、気道経由でピーナッツ、ハウスダスト抽出物、またはその両方に2週間暴露した後、ピーナッツを摂取し症状や状態を評価したところ、ハウスダストと低レベル(500ng)のピーナッツの両方を吸入し暴露した場合において、ピーナッツ特異的IgEの産生とピーナッツチャレンジ時のアナフィラキシーを生じ、ハウスダストは、ピーナッツに対する気道感作およびマウスのピーナッツアレルギーの発症を促す可能性を示唆しています(出典・参照:Indoor dust acts as an adjuvant to promote sensitization to peanut through the airway.)。
ハウスダストにはダニアレルゲン以外にも、食物残留物、真菌、細菌などの微生物、環境にも依りますが鉛などの重金属、多環芳香属炭化水素(Polycyclic aromatic hydrocarbons: PAHs)、フタル酸エステル類、ビスフェノール類などのプラスチック可塑剤や樹脂硬化剤、リン系難燃剤、残留性有機汚染物質(Persistent organic pollutants: POPs)などのダイオキシン類、有機フッ素化合物、臭素系難燃剤などが含まれることがあります。上記報告内では、ハウスダスト中のピーナッツ濃度の中央値はおよそ25〜40µg/gとの記述も見られています。
これらなどの物質がアジュバントとなり、食物抗原と一緒に吸入することで、感作、発症促進、アレルギー症状が増悪する可能性が考えられます。また今後、ハウスダスト中でアジュバントとなり得る具体的な物質に関しても掲載していきたいと思います。
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