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食品による肝障害の例から

2021.05.26

投稿者
クミタス

抗生物質、精神科・神経科用薬、健康食品、解熱・鎮痛・抗炎症薬、循環器薬、漢方薬、消化器用薬、一般市販薬、ホルモン製剤、抗アレルギー薬、造血/血液凝固関係製剤、高脂血症薬、抗がん薬摂取下で薬物性肝障害を起こす場合があります。
漢方では、様々な漢方に使用されるオウゴンによる肝障害も比較的見られており、
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3661
健康食品においては、にんにく卵黄、ウコン含有製品、青汁商品、アガリクス、プロポリス、クロレラ、ノニ、スクワレン、グルコサミン、ハーブ系健康食品などが原因と考えられる例の報告がなされていますが、特定食品が原因となり肝障害を生じる場合もあります。

38歳女性。友人との食事会でマカダミアナッツを多量に摂取した翌日から悪心・嘔吐が出現し、徐々に倦怠感、褐色尿、皮膚黄染も伴ってきた。症状が改善しないため受診し、急性肝炎と診断され入院。各種ウイルスマーカーや自己抗体は陰性で、画像検査で器質的異常も認めず入院後も肝機能は増悪した。PTが40%未満に低下したためステロイドパルス療法を開始したが、意識障害も出現し状態は悪化した.血漿交換および持続緩徐式血液濾過透析を施行し、計6回の血漿交換後より肝機能は正常化傾向となった。集中治療を脱し状態が安定してから肝生検を施行したが非特異的な組織像であり、マカダミアナッツのリンパ球刺激試験を実施したところ強陽性で、薬物性肝障害と診断された。治療離脱後も問題なく経過し、第46病日に退院となった(柴田 昌幸, 高森 頼雪, 江川 優子, 山口 智央, 中川 慧人, 中村 めぐみ, 大江 啓史, 成田 圭, 田中 由理子, 小林 倫子, 三科 友二, 三科 雅子, 明石 雅博, 笹本 貴広, 土屋 昭彦, 西川 稿, 横田 亜矢, 杉谷 雅彦, 滝川 一, 山中 正己, マカダミアナッツ多量摂取を契機に発症した劇症肝炎の1例, 肝臓, 2021, 62 巻, 5 号, p. 327-332)。

ナッツから肝機能異常を生じた報告例は多くはないところですが、カシューナッツ摂取後に肝炎が生じた症例の報告も見られています。 特定の健康食品、食物を過剰に、また継続的に摂取していて吐き気、嘔吐、倦怠感、発熱、黄疸、発疹、かゆみを生じたり、また褐色尿、皮膚黄染がみられた場合は、摂取を中断のうえ、受診し相談できるのが望ましいでしょう。

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