食物アレルギーにおける誘発症状には以下などが挙げられており、人、食物抗原などによっても異なりますが、出現することの多い症状、全体として比較的出現が少ない傾向のある症状などもあります。
皮膚・粘膜症状:紅斑、じんましん、血管性浮腫、かゆみ、灼熱感、湿疹、結膜充血・浮腫、かゆみ、流涙、眼瞼浮腫、鼻汁、鼻閉、くしゃみ、口腔・咽頭・口唇・舌の違和感や膨張
呼吸器症状:咽頭違和感、そう痒感、胸が締め付けられる感じ、嚥下困難、咳、喘鳴、陥没呼吸(息を吸い込むとき胸の一部が陥没する状態)、胸部圧迫感、呼吸困難、チアノーゼ
消化器症状:悪心、嘔吐、腹痛、下痢、血便
循環器症状:血圧低下、頻脈、徐脈、四肢冷感、蒼白(末梢循環不全)
神経症状:元気がない、不安感、恐怖感、頭痛、眠気、ぐったり、意識消失、失禁
小児でのアナフィラキシーの内訳として、
初期の兆候・症状
皮膚・粘膜症状 60%
呼吸器症状 25%
消化器症状 5%
神経症状 4%
循環器症状 2%
その他 4%
経過中に現れる症状
皮膚・粘膜症状 93%
呼吸器症状 93%
消化器症状 26%
神経症状 26%
循環器症状 13%
との報告もあり、皮膚・粘膜症状は、初期~経過中にみられ、呼吸器症状は経過中にみられることが多く、消化器症状、神経症状、循環器症状は出現しない場合もあります。
中でも恐怖感、頭痛、元気がない、眠気といった神経症状は、食物アレルギーによる症状なのか認識しにくい面もあるかと思います。
食物経口負荷試験陽性患児112例中2例にて神経症状を示し、血圧低下や不整脈はなく、咳、鼻汁の出現、元気がなく、刺激を与えないと入眠する状態がみられた報告があります。
「3歳9か月男児。生後7か月時に牛乳、小麦アレルギーと診断され除去となった。2歳1か月時にうどん摂取後、咳、鼻汁、眼瞼膨張・発赤、数時間の入眠を示し、2歳4か月時に小麦粉接触で同様の症状を認めた。3歳9か月時に小麦の経口負荷試験を実施し、うどん12g負荷直後、咳、鼻汁、活気不良が続き、刺激を与えないと入眠する状態を認め、軽度の低酸素血症は認めたが、血圧低下や不整脈は認めなかった。後日の脳波検査で睡眠時棘除波を認めた。また、鶏卵負荷試験の3歳9か月女児においても同様の状態が見られた。」
特発性てんかんなどとの鑑別が必要になる場合もありますが、食物抗原を摂取してぐったり、不穏、失禁、意識消失が認められた場合は速やかにエピペン投与をできることが望ましいとされています。また眠気、頭痛、恐怖感の症状があり、その進行が激烈である場合、また過去に重篤なアナフィラキシーの既往がある場合、循環器症状を認める場合などは、エピペン投与考慮となります。症状の経験があり、鎮静したことがあったけれどまだエピペンを処方されていない方においては、受診し相談できるのが望ましいでしょう。
出典・参照:食物負荷試験で神経症状を示した2症例
食物アレルギー診療ガイドライン 2016
2.蕁麻疹とアナフィラキシー
Anaphylaxis in the emergency department:a paediatric perspective
ライスヌードル 塩味
153kcal/1食
28059
Mayu Ishikawa
野菜にフレッシュ感があり…