Author クミタスさん
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2020.05.16
アレルギー性鼻炎発症の低年齢化も見られていますが、成人発症の花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)の症状出現も増加傾向にあります。成人における吸入アレルゲンの感作状況は、どのように変化しているのでしょうか?
海外での報告になりますが、デンマーク コペンハーゲン地域の居住者を対象にした健康調査が1990年~1991年、2006年~2008年、2010年~2011年、2012年~2015年、2016年~2017年に実施され、吸入アレルゲンの感作状況として、血清特異的IgE(sIgE)を1990年~1991年、2006年~2008年、2012年~2015年に、皮膚プリックテスト(SPT)を2006年~2008年、2010年~2011年、2016年~2017年におこない、吸入アレルゲンであるシラカンバ、イネ科植物、ダニ、ネコアレルゲンの少なくとも1つ以上の感作状況、アレルギー性鼻炎の状況を調査。18〜69歳において、血清特異的IgE(sIgE)の陽性率は1990年~1991年の16%から、2006年~2008年には26%、2012年~2015年には29%に増加、皮膚プリックテスト(SPT)の陽性率は、2006年~2008年の27%から2010年~2011年には28%に、2016年~2017年には32%に増加しており、成人における吸入アレルゲンの陽性率が1990年~2017年までの間で増加していることを報告しています。
北海道上士幌町の成人住民が対象の北海道大学での(日本語版 European Community Respiratory Health Surveyに基づいた)調査において、2006年と2011年の比較で、「花粉症を含む何らかの鼻アレルギーがありますか?」の質問に対し「はい」と答えた方は、男性が17.6%から23.2%、女性が23.0%から25.4%と増加しており、20歳~39歳、40歳~59歳、60歳以上の全年齢層で同様の傾向となっており、国内での非都市部の状況例が伺えるところでもあります。
喘息における新規発症の危険因子とみられる喫煙、肥満と、アレルギー性鼻炎との関連は認められなかったようですが、関連する因子についてなどもアップデートしていきたいと思います。
出典・参照:Leth-Moller KB et al. Allergic rhinitis and allergic sensitization are still increasing among Danish adults.
清水 薫子, 今野 哲, 清水 健一, 伊佐田 朗, 高橋 歩, 服部 健史, 前田 由起子, 高橋 大輔, 高橋 清, 中川 武正, 谷口 正実, 秋山 一男, 赤澤 晃, 檜澤 伸之, 西村 正治, 北海道上士幌町における成人喘息,アレルギー性鼻炎有病率 : 特に喫煙及び肥満との関連について, アレルギー, 2008, 57 巻, 7 号, p. 835-842
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