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菜種によるアレルギー

2020.07.25

投稿者
クミタス

高度に精製された油においては、その原料のタンパク質残留量も低減しており、アレルギー症状の誘発性が低くなっていると見られていますが、コールドプレス(低温圧搾)された油など精製されていない油、高度に精製されていない油においては、その原料のタンパク質の残存量も一定量以上である場合があります。

菜種油を使用している方もいらっしゃるかと思いますが、菜種( Brassica napus (Rapeseed))のアレルゲンとしては、今までに以下が挙げられています。


・Bra n 1(2Sアルブミン)
15 kDa
2Sアルブミンは種子貯蔵タンパク質の1つで、豆類ではピーナッツのAra h2、大豆のGly m 8など、種子類ではゴマのSes i 1、Ses i 2など、ナッツ類ではカシューナッツのAna o 3、クルミのJug r 1などが該当し、主要なアレルゲンとなっています。

菜種によるアレルギーとしては、皮膚症状、腹痛などの報告が見られています。菜種はアブラナ科植物ですが、同じくアブラナ科植物のマスタードのアレルゲンの1つである2Sアルブミンと菜種の2Sアルブミン間で交差反応性があり、皮膚プリックテストを行った場合、両方に陽性反応を示す可能性もあります。
菜種のアレルゲンの可能性がある11Sグロブリン、また2Sアルブミンは、精製された菜種油からは検出されなかったものの、コールドプレス菜種油からは検出されたとの報告もあります。高度精製されていないオイルは化粧品などで使用されていることもあり、感作の原因製品となっている可能性も考えられますが、今後も交差反応性、オイルの精製とアレルゲンの残留程度、症例などを追記していきたいと思います。

出典・参照:Puumalainen TJ,Poikonen S,Kotovuori A,Vaali K,Kalkkinen N,Reunala T,et al.Napins, 2S albumins, are major allergens in oilseed rape and turnip rape.J Allergy Clin Immunol 2006:117:426-32.
T.J.Puumalainenae,A.Puustinen,S.Poikonen,K.Turjanmaa,T.Palosuo,K.Vaali,et al.Proteomic identification of allergenic seed proteins, napin and cruciferin, from cold-pressed rapeseed oils.

マスタードによるアレルギー①
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3904

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