食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)においては、小児での報告が多いところではありますが、成人においても食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)を発症することもあります。成人の食物蛋白誘発性腸炎 (FPIES)と即時型食物アレルギーでの症状にどのような違いがあるのでしょうか?
成人 FPIESの診断基準(GONZALEZ JACIP2022) に基づき、甲殻類除去中の成人に対し共通の質問票を用いて電話面接を行い、食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)と即時型食物アレルギーの臨床像を比較検討したところ(40万人中110人が抽出され電話調査)、成人の甲殻類アレルギー患者73人中8人(11%) が食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)、53人が即時型食物アレルギーと診断された。食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)は 即時型食物アレルギーに比べ発作潜時が長く (中央値2.3 時間、P<0.01), 発作回数が多く (P=0.02)、症状持続時間が長く (中央値 21.8時間、P=0.04)、腹部膨満感や激しい疝痛 (P=0.02) がより頻繁にみられ、成人の食物蛋白誘発性胃腸炎 (FPIES)と即時型食物アレルギーは、腹部症状、潜伏期間、症状持続時間に違いがあることが伺える報告もみられています。
今後も別のアレルゲン含め他の報告なども掲載したいと思います。
出典・参照:成人の甲殻類に対する食物蛋白誘発性腸炎 (FPIES)と即時型食物アレルギー (FA)の比較・検討
果実が原因の食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)のケースから
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1259
野菜と食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3195
食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)と症状が似た疾患
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4384
食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)の症状程度
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4695
卵黄による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)における寛解
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2002
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