ソルビトールと同様に低分子の糖アルコールである、エリスリトールによるアレルギーの例は以下でも掲載しておりますが、
甘味料とアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2108
今回は輸液に含まれるソルビトールにアレルギーと考えられる反応を示した例をご紹介したいと思います。

38歳男性。感染性腸炎に伴う食事摂取量低下に対し、ソルビトール加乳酸リンゲル液の点滴投与を受けた。点滴開始後、全身に掻痒感を伴う膨疹が出現し、約1時間後から呼吸困難感も自覚し、エピネフリン筋注投与により症状は改善した。
アナフィラキシー症状出現前に飲食、服薬はしておらず、ソルビトール加乳酸リンゲル液での検査をおこなったところ、皮膚プリックテストは陰性、皮内テストでは100倍希釈は陰性であったが、10倍希釈において膨疹（15×15）㎜/発赤（23×21）㎜と陽性であった（出典・参照：中野真衣 東幸太 吉川卓宏 田村誠朗 東直人 松井聖 兵庫医科大学 ソルビトール（経静脈投与）によるアナフィラキシーの1例）。

エリスリトールは食品として扱われ、ソルビトールは食品添加物として、また医薬部外品原料、医薬品（X線造影促進・栄養補給剤など）でも使用されています。ソルビトールは食品添加物としては甘味料や軟化剤にて使用され、ソルビットと表記されることがあります。
またソルビトールは海藻類や果実類など自然界で広く含まれており、特にリンゴ、プラム、梨、桃などのバラ科植物に多くみられています。中でもドライプルーン中のソルビトール含量は高い数値となっており、多く食べた場合の下痢の原因にもなっています。
食品添加物のソルビトールによるアレルギー例やアレルギーのメカニズムについても、今後掲載していきたいと思います。