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イネ科植物花粉に対する皮下免疫療法による影響可能性〜じゃがいもアレルギー

2024.11.03

投稿者
クミタス

じゃがいもは、ラテックス-フルーツ症候群の原因食物の1つでもあり、またシラカンバ花粉、ハンノキ花粉、イネ科植物花粉との交差反応の可能性も考えられています。今回は、イネ科花粉症に対する皮下免疫療法(SCIT)開始後に、じゃがいもアレルギーにおける閾値が上昇し好影響となったケースについての報告を掲載します。
 
気管支喘息とイネ科花粉症のある8歳男児。麻婆茄子を摂取後に全身蕁麻疹を認め、同時期にミニトマトや自作のポテトチップス、ばれいしょ澱粉を使用した料理摂取でも蕁麻疹を認めた。各特異的IgE(ImmunoCAP)は、カモガヤ31.4kUA/L、ジャガイモ0.82kUA/Lであった。加熱したじゃがいもの食物経口負荷試験(OFC)では、総量83gで複数範囲蕁麻疹、断続咳嗽を認めた。また、一食分に含まれるばれいしょ澱粉最大量相当と考えられる総量1.5gでも、口唇腫脹、鼻汁、くしゃみを認め、澱粉を含めたじゃがいも除去が必要と判断された。その後、花粉症治療希望がありイネ科花粉症に対する皮下免疫療法(SCIT)を開始。花粉症症状改善は未評価であるが、治療7ヶ月後の加熱したじゃがいもの食物経口負荷試験(OFC)では、総量1.5gで陰性であった(出典・参照:大海美波,杉浦至郎,北村勝誠,松井照明,高里良宏,伊藤浩明 あいち小児保健医療総合センター免疫・アレルギーセンターアレルギー科 イネ科皮下免疫療法開始後にじゃがいもアレルギーが軽快した一例)。
 
上記はじゃがいもアレルギーの方において、イネ科花粉症に対する皮下免疫療法(SCIT)の開始後に、開始前に症状出現していた量で陰性となりじゃがいもアレルギーに好影響となったことが伺える報告になります。じゃがいもによる食物依存性運動誘発アナフィラキシー例については、以下をご覧ください。
じゃがいもによる反応例 ジャガイモ
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4537 

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