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家庭内でのやけどについて

2022.02.14

投稿者
クミタス

家庭内でやけど(熱傷)を生じることがありますが、初診日が1993年4月1日から2019年3月31日にある26年間の熱傷患者50,376例の統計解析では、最も多い受傷年代は10歳未満の15,936例 (熱傷全体の31.6%) であり、熱傷の受傷原因は熱性液体が24,105例 (47.9%)、接触17,656例 (35.0%)、火炎3,784例 (7.5%), 蒸気2,679例 (5.3%) でこれらで熱傷全体の95.7%を占めていた、との結果も見られています。
最多の原因である熱性液体による熱傷24,105例のうち熱湯によるものは10,581例、熱油6,023例、茶・コーヒー2,084例、みそ汁1,439例、接触熱傷のうち最多の原因はストーブなどの暖房器具による5,211例、次いでアイロンの2,258例であり、火炎熱傷では花火によるものが多く1,070例、蒸気熱傷では炊飯器の蒸気によるものが多く608例あり、またヘアーアイロンによる熱傷の増加が見られています(出典・参照:馬場國昭 徳田リツ子 馬場淳徳 有床診療所における26年間の熱傷統計)。

高齢者においては、やかんの持ち運び中に転倒したり、飲食や調理、入浴、仏壇からの引火などもやけど(熱傷)の原因、背景に挙げられます。使い捨てカイロや湯たんぽによる低温熱傷例も少なくないところで、乳幼児におけるやけど(熱傷)においては、キッチン内の高さ60~70㎝の引き出しの上に置いていた電気炊飯器の蒸気口に両手を置き、手指熱傷、24日間入院した1歳2カ月男児、キッチンの床に置かれ、沸かしている最中で蒸気口から湯気が出ていた電気ポットの蒸気口に手を当ててしまい手指をやけどした10カ月男児、熱い蒸気が出る加湿器の電源を入れていて、蒸気の出口に手をつっこみ手指をやけどした9カ月女児の報告などもあります。

高温の蒸気が出る家電を使用している場合は、乳幼児の手の届かないところに家電を設置する、また電源コードを乳幼児が引っ張って家電が落下することで、けがややけどをしないようにするなどの事前の対応も求められるところであり、以下注意喚起も併せてご参照いただければと思います。

家電から出る蒸気による乳幼児のやけどにご注意!
-炊飯器、ポット、ケトル、加湿器(スチーム式)について-
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20210902_3.pdf

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