Author クミタスさん
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2022.02.28
線形動物回虫目アニサキス亜科のアニサキス属、シュードテラノーバ属に属する線虫のアニサキスが寄生する海産物を摂食し、アニサキスがヒトの胃や腸壁に侵入移行し、胃の場合は数時間~十数時間後に、腸の場合は十数時間~数日後に激しい腹痛、嘔吐などをもたらすアニサキス症を発症することがあることは、ご存知の方も多いかと思います。
そして、ほかにも線虫が寄生した海産物を摂食し症状出現することがあります。
旋尾線虫(せんびせんちゅう)症
スケトウダラ、ハタハタ、スルメイカなどにも寄生がみられますが、多くは旋尾線虫が寄生するホタルイカを生食することで発症し、ヒトの腸管壁への侵入移行のみならず、腹部、背部、腰部、また下肢などの皮膚組織内に移行する場合があり、ホタルイカを生食し数時間~2日後に腸閉塞症を起こす急性腹症型もしくは2週間前後で皮膚爬行症を起こす皮膚爬行症型の症状がみられています。
症例
53歳女性。初診2〜3週間前に購入した生のホタルイカを喫食し、初診3日前から右大腿内側に紅斑が出現。ステロイド外用が開始されるも改善せず、徐々に皮疹が移動したため紹介受診。初診時右大腿内側に蛇行する線状皮疹と周囲に浮腫性紅斑を認め皮膚幼虫爬行症が疑われ、線状皮疹の先端を切除。病理組織学的に表皮直下に線虫の食道筋質部を通る断面が観察され、血管周囲性に炎症細胞浸潤を伴っていた。ホタルイカの生食歴、移動する線状皮疹,生検による虫体断面からホタルイカ生食による旋尾線虫の皮膚幼虫移行症と診断された(出典・参照:松井彩乃 関根万里 中村ふくみ, 田宮彩 簗場瑞貴 東京都保健医療公社荏原病院皮膚科 東京都保健医療公社荏原病院感染症内科 どんぐり皮膚科 ホタルイカ生食後の旋尾線虫による皮膚幼虫移行症の1例)
旋尾線虫(せんびせんちゅう)は内臓に寄生していることが多く、内臓ごと生食する機会のあるホタルイカは、より旋尾線虫症の原因食物となるリスクが高くなることがあります。原因の線虫はマイナス30℃で4日間以上冷凍、中心温度マイナス35℃で15時間以上冷凍、マイナス40℃で40分以上冷凍、または沸騰したお湯で30秒以上、中心温度60℃以上の加熱で死滅滅すると考えられていますが、ホタルイカの生食、内臓ごと生食をした後で不調がある場合は、原因可能性を視野に受診できると良いかもしれません。
アニサキスアレルギーを繰り返す場合
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アニサキスアレルギーにおけるアレルゲン
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