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マムシグサの実による症状出現

2022.04.14

投稿者
クミタス

サトイモ目サトイモ科テンナンショウ属植物のマムシグサは、山間地、庭、湿った林や河川敷等で見られ、未熟な果実はトウモロコシ様の形状で、完熟した果実は赤色になり、果実をつける初夏から秋にかけての誤食による症状出現例が、報告されています。

2歳3か月男児。自宅の庭でマムシグサの実を摂食した。直後に吐き出したが、咽頭痛と下口唇の腫脹が出現し、嘔吐反射を繰り返すため救急搬送された。搬送時は呼吸器症状を認めなかったが次第に吸気性喘鳴、多量の流涎が出現した。抗ヒスタミン薬、アドレナリン、ステロイド、ヒトC1インアクチベーター製剤などの薬物治療で改善なく、摂食後4時間で著明な喉頭浮腫をきたし、気管切開術の待機を行いながら気管挿管した。第2病日には喉頭および口唇浮腫は改善傾向を示し、第5病日に抜管、第9病日に退院した(出典・参照:大谷祐介 高木陽子 小林靖子 武井麻里子 池内由果 山田諭 西田豊 石毛崇 須田峻平 河野美幸 荒川浩一 滝沢琢己 群馬大学医学部附属病院小児科 JCHO群馬中央病院小児科 気管挿管を要したマムシグサ果実の誤食による急性喉頭浮腫)。

上記例以外にも園外保育で生えていたマムシグサの若い果実を口にした児において、またマムシグサ類の果実をトウモロコシと勘違いして食べた方で、舌の痛み、のどの痛み、口内のしびれ、口唇の腫脹が見られています(マムシグサの果実の1粒の大きさはトウモロコシの1粒よりやや大きいサイズになります)。

マムシグサの果実にはシュウ酸カルシウム(針状結晶) が含まれますが、シュウ酸カルシウム(針状結晶)を含む植物を食べて咽頭痛、口唇膨張など、また口の周りや触れた皮膚にかゆみを伴う紅斑、痛みなどが出現する刺激性接触皮膚炎を生じることがあります。また腎臓にシュウ酸カルシウムが沈着することで腎機能を障害する恐れもあります。
マムシグサは4~5月ごろ開花、9~10月に結実します。摂食して喉頭浮腫により呼吸困難に至る場合もありますので、ご注意ください。

山芋で不調になる場合の食物アレルギー以外の要因
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/594

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