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ビニールハウス内環境と症状

2022.11.06

投稿者
クミタス

成人の喘息患者さんのうち、職業性喘息の方は15%ほどを占めると見られています。農作物を栽培していて摘花、解葯、人工交配などで、その農作物の花粉に曝露することがありますが、鼻腔に吸入して感作が成立し,IgE依存性免疫反応によりくしゃみ,鼻水,鼻づまり、咳、たん、喘鳴、眼症状、皮膚症状などが生じることがあります。
果樹栽培と症状出現
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4262

果実をビニールハウスで栽培している方、生花業者の方においては、花粉曝露機会が多く、発症した場合、症状は就労日に悪化し、休日、長期休暇に改善する傾向があり、イチゴ栽培を職業とされている方での職業性喘息の発症頻度は、4.7%程との示唆もなされています。

ビニールハウス内環境においては、きのこを栽培している場合はきのこの胞子や、きのこの堆肥や干し草の中などに存在することのある好熱性放線菌などが、またAspergillus fumigatus,Aspergillus flavus,Aspergillus nigerなどの室内、エアコン内でも存在することのある真菌が存在し、過敏性肺炎、アレルギー性の症状を引き起こすことがあります。
起因物質例
植物成分:花粉、毛茸、葉や茎の汁
微生物 :真菌、細菌
化学物質:肥料、農薬、ポリウレタンの原料であるイソシアネートなど
浮遊粒子状物質:暖房装置、農用機械の燃焼生成物など
他:ハウスダスト、スギ花粉など

曝露量を減らす対策としては、換気排気、マスクや手袋などの保護具の着用・改善、保護クリームの使用、作業動線・レイアウトの改善、作業フロー・時間の見直し、作業後の洗顔・手荒い・洗濯などが挙げられますが、症状が増悪している場合は受診のうえ、起因物質の特定もできるのが望ましいでしょう。

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