Author クミタスさん
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2023.02.21
貼り薬や塗り薬などを使用した部位に日光が当たり、その部位に紅斑や浮腫などの症状が出現する光接触皮膚炎においては、ケトプロフェンを含む貼り薬や塗り薬が原因となるケースが少なくないところですが、
日焼け止め剤による光接触皮膚炎
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4449
ケトプロフェン含有湿布剤による接触皮膚炎症候群発症後,添加成分による光接触皮膚炎が続発したと考えられる例の報告も見られています。
55歳女性。ハワイ旅行中に毎晩ケトプロフェンテープを右下腿後面に貼付し、昼間日光曝露していた。1週後、貼付部位に一致して巨大な水疱を伴う浸潤性紅斑が出現。前医にてプレドニゾロン(ステロイド薬)15mg/日処方されるも、体幹、四肢に多形紅斑様紅斑が拡大したため入院。病理組織学的に右下腿紅斑は接触皮膚炎、左前腕の紅斑は境界部変性と真皮血管周囲と間質にリンパ球、好酸球浸潤が認められた。ケトプロフェンテープによる接触皮膚炎症候群と診断され、メチルプレドニゾロン点滴後、プレドニゾロンを減らしていき遮光していたが、1カ月後に紅斑が再燃。右手背に日焼け止め乳液を塗布した状態で、日光暴露により紅色丘疹が出現。左足背痛でフルルビプロフェンパップ(経皮吸収型鎮痛消炎貼付剤)を1日貼った状態で日光暴露し、その夜から同部に発赤、腫脹、水疱が見られた。
光パッチテストを施行したところ、
ケトプロフェンテープas is とケトプロフェン2% petはUVA、UVBともに陽性、
ケトプロフェン0.4% pet と日焼け止め乳液に含有されていた紫外線吸収剤のブチルメトキシジベンゾイルメタンはUVAのみで陽性、
ケトプロフェンテープとフルルビプロフェンパップの共通成分の l-メントールは UVA と光なしで陽性、
手背は紫外線吸収剤のブチルメトキシジベンゾイルメタンによる光接触皮膚炎、
足背は l-メントールの接触皮膚炎および光接触皮膚炎と考えられた(出典・参照:久保田由美子 福岡山王病院皮膚科 ケトプロフェン含有湿布剤による接触皮膚炎症候群発症後、添加成分による光接触皮膚炎が続発した1例)。
上記例ではケトプロフェンテープの接触皮膚炎症候群を生じたことより、強力な光感作を起こし、2 回の違う成分の光接触皮膚炎が惹起された可能性が示唆されています。
光接触皮膚炎については、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)外用剤のうち、ケトプロフェン外用剤以外で、フルルビプロフェン、インドメタシン、フェルビナクなどが原因で光接触皮膚炎を引き起こす場合もあります。原因物質を避けることで屋外活動も可能となるとの示唆もありますが、貼り付けた状態で日光にあたった後、その部位に皮膚症状が出現した場合は光接触皮膚炎の可能性があり、初回貼り付け時でも症状を生じる場合があることにご留意いただければと思います。
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