Author クミタスさん
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2022.12.13
食物経口負荷試験においては、単回、もしくは2〜3回に分割しておこなわれますが、複数回負荷を行う際の摂取間隔は、「20分間隔よりも40分間隔の方が症状を観察しやすく、15分間隔に比べて30分間隔はより安全に施行できる可能性が報告されており、重症の食物アレルギー児には1時間間隔で安全に実施できたとされる」記述もあり、摂取間隔は30分以上が望ましく、特に症状出現時間の遅い鶏卵は1時間以上が望ましいとの示唆もあります。
食物により症状出現までの時間に違いも見られていますが、鶏卵、牛乳、小麦の単回食物経口負荷試験での症状出現までの時間に関する報告例を掲載します。
2017年5月〜2021年5月までに当院での単回ので客観的に明らかな症状を認めた症例が摂取から症状出現までに要した時間について後方視的に解析した結果、
鶏卵 50 名(月齢中央値 27 カ月(四分位範囲(以下 IQR) 15.00-39.75)、総 IgE 中央値 196.0IU/m(l IQR 60.0-496.25)、卵白 sIgE 中央値 16.35 UA/ml(IQR 8.1-37.67)、症状出現時間中央値 43 分(IQR 20.0-61.5)、
牛乳 42 名(月齢中央値 23.5カ月(IQR 14.5-39.75)、総 IgE 中央値 206.5 IU/ml(IQR 64.5-361.25),牛乳 sIgE 中央値 7.62 UA/m(l IQR 3.62-15.7),症状出現時間中央値 10 分(IQR 5.0-24.5)、
小麦 32 名(月齢中央値 18 カ月(IQR 11.75-55.5)、総 IgE 中央値 302.5 IU/m(l IQR 119-541.5)、小麦 sIgE 中央値 16.85 UA/m(l IQR 5.07-60.12)、症状出現時間中央値 62.5 分(IQR 50.0-113.0)
であり、3 群間での症状出現時間に有意差を認めた(p<0.001)。重回帰分析で月齢、負荷量、各食材 sIgE 値は症状出現時間と関連を認めなかった。
鶏卵は牛乳よりも症状出現に時間を要する示唆は今までにもなされていますが、上記報告では単回での食物経口負荷試験での症状出現は、牛乳が早く、牛乳よりも遅く鶏卵、小麦で症状出現している状況が伺えます。マフィンなど他の食物も混ぜて焼成された食品での症状出現は、単一の食物摂取時よりも時間がかかるなどの違いもあります。
出典・参照:アレルギー総合ガイドライン2022
楢林成之 ならばやしこどものアレルギークリニック 鶏卵・牛乳・小麦の単回経口負荷試験における症状出現時間の遅速に関する検討
食物経口負荷試験に際して中止する薬剤
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3533
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