消化管に症状が出現する食物アレルギーにおいては,牛乳が原因となる消化管アレルギーが知られていますが、牛乳以外の固形食品をアレルゲンとした食物蛋白誘発胃腸症(FPIES)の報告数が増えており、卵黄(鶏卵、うずら卵)、小麦 、米、そば、大豆、ナッツ(カシューナッツなど)、魚(サケ、カレイ、サワラ、カジキなど)、貝(アサリ、ホタテなど)、魚卵(イクラなど)、果実(リンゴ、バナナ、サクランボ、キウイフルーツなど)、肉(鶏肉など)などでの報告も見られています。
食物蛋白誘発胃腸症(FPIES)は症状のない量を摂取し続けると寛解を誘導する可能性はあり、アレルゲンによっては2歳未満で寛解に至る場合もあるとの報告もありますが、食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)における継続摂取の影響はどのようなものなのでしょうか?
臨床経過から食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)と診断された43例(卵黄23例、乳7例、小麦5例、大豆4例、うずら卵黄、アサリ、リンゴ、コメ各1例)に計74回食物経口負荷試験を実施したところ、複数回の嘔吐が誘発された症例は原則除去継続としたが、複数回の食物経口負荷試験で誘発症状が出現した症例に、負荷量の1/100以下量を継続摂取することを選択肢として提案。
また単回嘔吐、自制内の腹痛、単回下痢、不機嫌といった軽微な症状では減量し継続摂取となったところ、食物経口負荷試験74回中29回(39.2%)(19例)で誘発症状が出現、19例中7例は除去、6例(減量群)は減量し継続摂取、4例(少量群)は1/100以下に減量し継続摂取、1例は加水分解乳摂取、1例は除去を指示されたが自己判断で継続摂取された。
減量群は全例6か月以内に制限解除可能で、4歳の小麦症例で自制内の腹痛が3回出現したが、残りの5例は誘発症状もなく増量可能であった。少量群4例(卵黄2例、乳1例、小麦1例)は、3例が継続摂取可能であったが、4歳の卵黄症例は増量中に遅発性の腹痛が出現し中止した(出典・参照:濱田匡章 八尾市立病院小児科 食物経口負荷試験で誘発症状が出現した食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)に対する継続摂取の検討)。
上記においては継続摂取が有効な症例もある事が伺える一方、閾値の低い症例では遅発性の腹痛に注意が必要との示唆もなされています。複数食物に食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)の症状が出現するケースも見られていますが、また他の報告や、食物経口負荷試験での負荷量設定検討に関する情報も含め、今後も掲載していきたいと思います。
食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)と症状が似た疾患
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4384
ハヤシの王子さまレトルト
72kcal/1食分(70g)あたり
12767
たたゆつ
温めないでも美味しかった…